天使は蛇を想う丸ツー
旧約聖書…
旧約聖書・創世記
第四章ー第一節
彼女だったらこう言って居たかもしれない、
彼女…リリスは、
無意識かもしれないけど、
園で何か出来事があると、
大抵この様に言っていた。
それが彼女の持つ文書になぞらえて言っていたのがわかったのは、
彼女が園を去って数年した時の事だ。
アダム、
とその妻イヴの間に子供が生まれた。
名前はカイン、
男の子だ。
カインの将来は彼女ならわかると思受けど、
僕は全然わからない。
でも
「幸せになって欲しいな」
「それは無理…」
ッ⁈
誰だ?
突然の声と不幸宣告、
即ち僕の願いの否定、
そんな事されて、起こらない奴はいないだろう?
僕が声のした方をみると、
そこには…
「お初お眼にかかります、ワタクシにしてワタクシども、夜の魔女リリス様の僕、リリムと申します。リーダーから与えられた個体識別名称は柘榴と言います」
彼女にそっくりの容姿、
それで居てどこかイヴを思わせる美貌、
そして、
彼女と同じ香りがした。
「…僕に何のようだい?」
僕の中の警戒心が高まる、
彼女の僕と言ったって何処まで本当かわからない、
確かに彼女の神気は感じる、
けど、もしかしたら彼女から…
「いいえ、用など有りません、ただ、ヒトの兄弟…愚兄と愚弟の片割れを観にきただけです」
兄弟?
愚兄?
どう言う事?
カインは一人っ子だろう?
「その顔を観るに未だご存知ないようで」
だから何がだよ?
「ワタクシにしてワタクシども、リリムの存在意義、即ちリリス様復活のための魔力集め
デスよ…」
⁈復活?
魔力集め?
どう言う事だよ!
「何なんだよそれ!リリスは大丈夫なのか!」
詰め寄る勢いで目の前のリリム、
柘榴に聞く。
「はぁ…落ち着いてください、リリス様に何かあればあの方の使い魔たるワタクシどもも消滅致します」
そ、そうか…
じゃあ彼女は無事なんだ…
ところで…
「使い魔?式神だろう?」
「あなたは何も知らないのデスね?ワタクシどもは確かにリリス様の使い魔デスよ?リリス様は神の呪いを受けた故に神気を失い、魔に転じたのでございます」
急速に頭が冷えて行った、
魔に転じた?
リリスが?
あの優しくて、時々何かをこらえる様にして居たリリスが…
悪魔に成った?
「リリス様は今力を蓄えて居ます、そしてそれは神気…貴方は天使でしょう?貴方が協力してくだされば、より迅速にリリス様がご復活なされるのですよ…」
リリス…
会いたい…
話したい…
園をでて、もう数年、
リリスは僕の事を覚えて居るだろうか?
それを確かめるためにも?
僕の体はゆっくりと柘榴の方へ近づいて居た。
その時、
「リリム、個体識別名称 柘榴、天使への接近は今はまだ禁じられて居ますよ?」
「もう!桜、せっかく良いところまで行ったのに!」
…どう言う事?




