平行線
一応「秋の文芸展2026」のテーマは「旅」に参加している作品です。
残念なことに掲載した9月25日からナント10日以上も、指定キーワード「秋の文芸展2026」の設定を忘れていました。
とある企業のお昼休みに、写真仲間達が社員食堂の一角に集まって、昼食を食べつつも、撮影旅行の話を楽しくしていました。
「河口湖湖畔のラベンダー綺麗だったね~、今度はいつ富士山に行こうか」
「山中湖の北側方向にある忍野村の内野地区が、一面向日葵畑になるみたいだから、夏頃かな」
「夏の富士山を背景にした向日葵畑イイね~、早速日程を決めて参加者を募集しないとね」
「夜明け前には、富士山の頂上からの御来光が目当てで登山道を登る人たちの持つライトで、登山道に光の点線が出来て点滅もするから、チョット幻想的な風景も見られるかもよ」
「毎度恒例の24時間撮影旅行だよね、何人くらいで行く?」
「佐藤さんがハイエース出してくれたら6~7人、鈴木さんや高橋さんのランドクルーザーなら4~5人、田中さんのデミオだと4人だけどカメラ機材を人数分載せることを考えるときつそうだからダメだろうし、伊藤さんのミラは今回は当然ムリだよね」
「カメラ機材は嵩張るから仕方が無いね」
「大勢の方が楽しいし割安になるから、後で佐藤さんに都合を聴いてみようか?」
「なら、私から電話で確認しておくね」
「佐藤さん今日も出張みたいだし、何だか最近物凄く忙しそうだけど、都合がつくとイイね」
「大きなプロジェクトに加わったみたいだから、会議と出張ばかりで大変そうだったよ」
「でも土日ならば大丈夫でしょ、忙しくても気晴らしは必要だよ」
「来月は車検とタイヤ交換でかなり懐が厳しいから、佐藤さんのハイエースに期待したいな」
「そう言えばさ~、うちの上司の渡辺さんが『君たちは何度も何度も同じような場所に旅行に行くみたいだけど、飽きないのかい?私は一度行った旅行先には、絶対二度と旅行に行かないよ』って不思議そうに言うんだ」
「渡辺さんには『年に何度も同じ場所に撮影旅行に行ってますが、春夏秋冬365日それぞれ違った風景になるので、全く飽きませんよ』って伝えたけど、あまり納得されていなかったね」
「旅行に対する考えや旅行の仕方が、見事に平行線だね」
「全く交わることは無さそうだね」
「我々が何処に何回旅行に行こうと、渡辺さんには関係無いのにね」
「ホント、大きなお世話たよね」
「渡辺さんみたいに、何度も同じ場所に行くよりは、日本各地のまだ一度も訪れたことの無い場所に行きたいって人も居るのだから、こればかりは仕方無いよ」
「もし渡辺さんが我々と旅行して一緒に行動したとしても、何時間もジッと待って風景写真を撮影するような、カメラの趣味を持った方では無いのでしょ?」
「その場の雰囲気を、ものの見事に壊してくれそうだよね~」
「渡辺さんが来るなら私は行かないよってのが、一番困るしね・・・」
「たぶん趣味趣向も全然違うはずだから、お互い旅先で一緒に行動するようなことも絶対に無いだろうし、仕事以外で接点も無いのだから、気にしない気にしない」
「ゴルフだと、飽きもせず同じゴルフ場に毎月通っているみたいなのにね~」
「ホント不思議だよね」
「意趣返しって訳でも無いけれど、『渡辺さんは毎回同じゴルフコースで飽きませんか?』とも言えないよね」
「ま~もしも渡辺さんがこの場に来て旅行の話に加わって来たとしても、絶対に平行線のままだから会話が続かないよ」
「言い合いになって、最悪の雰囲気になるかもね~」
「さて、この話は横に置いておいて、そろそろ大まかな旅程を計画しようか」
「そうだよね、仕事の話じゃなくて我々個人個人の休日の趣味のことなんだから、例え上司であろうと、会長や社長であろうと、とやかく言われる筋合いでも無いからね」
「で、富士山にはいつ行く?」
「私はいつでも都合をつけるよ」
「結局、佐藤さんの都合次第なんだね」
そんなこんなで、楽しい撮影旅行に一緒に行くであろう写真仲間達での、とっても楽しい会話が今日のお昼休みも続くのです。




