表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/14

プロローグ コンサート会場の歌声

エントランスから会場まで、熱を帯びたざわめきが満ちていた。


あまり人混みを好まない玲子は、場違いな場所に来てしまったような気がして小さく息を吐いた。


半ば強引に誘われたライブ。

お詫びにと友人が買ってくれたペンライトを握り、ただ静かに前方を見つめる。


照明が一斉に消され、さっきまでのざわめきが鎮まり返った。


ステージを囲む色とりどりの照明が天井まで伸びる。


次の瞬間、爆音と空気を揺るがす割れんばかりの悲鳴と歓声。


ステージに現れた8つの影。―――CRAQだ。


――


テンポのいい曲が続き、玲子も周りに倣って、ペンライトを小さく振った。


ふと、隣の友人を見る。


喜びの悲鳴を上げ、目を輝かせる友人に、玲子は小さく笑った。


眩しいくらいだった照明がトーンを下げる。


激しく振られていた観客のペンライトが、ゆったりと揺れる。


雰囲気ががらんと変わったバラード曲。


(あ…この曲聞いたことあるかも…)


玲子は、ペンライトを振るのも忘れて聞き入っていた。


鼓膜に優しく流れ込んでくるメロディ。

息を吸い込むと胸に入ってくるよう―――


玲子は、そっと目を閉じた。


喉は震えない。

――― けれど、確かに歌っている。


声にしないまま。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ