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まるはちのしるし
阿部祐一は、その伝説が村の歴史とどのように結びついているのかを考えながら、さらに調査を進めることにした。古文書には次のように記されていた。
「十和田毛馬内に降り立った神は、まるはちのしるしを持ち、人々に豊穣と平和をもたらした。しかし、そのしるしはやがて失われ、村は混乱の時代に突入した。」
この記述が示す「まるはちのしるし」が赤いジムニーと関係があるのか、阿部は疑問を抱いた。彼は長老に尋ねた。
「長老、この『まるはちのしるし』について、何かご存じですか?」
長老はしばらく考え込んだ後、ゆっくりと語り始めた。
「まるはちのしるしは、私たちの村にとって非常に大切なものでした。そのしるしを持つ者は、村を守り、導く役割を果たすとされていたのです。しかし、昭和63年3月1日に大里が洞窟に入ったまま戻らなかったその日から、しるしも共に消えてしまったのです。」
阿部祐一は、この話が赤いジムニーとどのように繋がるのかを探るため、更なる調査と洞窟の探索を決意した。彼は次に洞窟の場所と、その内部に何が隠されているのかを調べる必要があった。