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#38.メインもサブも強すぎるこの世界は、どうかしている。

へい、リンネです!!

アミさんとアサカがくっついて絶好調の最中、

武道会、開幕!!


……と思ってたのに、やれ配信だやれ楽勝だで

なんも進展なし。


と、悲しんでたのも束の間。

現れたのは、二人の知り合いそうな新キャラが!!

しかもなんか、強キャラっぽいんですが!?


柑橘系のいい匂いが、カップから香る。

右手には皿を、左手にはカップを持ちながら、彼女はゆっくりと口に運ぶ。

姿勢良く飲む姿はとにかく優雅で、さながらお姫様のようにみえてー


「ふむ、なかなか良い手前じゃな。サヨの紅茶のセンスも相変わらずじゃが……そなた、筋がいいのう」


満足したかのような、にやりとした笑みを見せる。

紅茶を淹れた本人でもあるユウナギは、しどろもどろに目を逸らした。


どうも、さっきまでアミさんが持ってきた武道会が配信を見てました、リンネです。

早々に帰ってしまったアミさんと入れ替わりに、なんかとんでもない人がやってきました。

そう、新キャラです。


四天王を幸せにしたい、そう目標を掲げ活動してきた昨今。それも、後一組というところまでやってきた。

なのに、だ。こんな終盤で新キャラくる!? 普通!!

見た目も口調も、私的にはかなりのインパクトなんですけど!?


「そ、それにしても驚いたな。まさか、あのソルー・ルシェ様が、サヨとマヒルの知り合いだったなんて」


「そんなにすごい人なの?」


「オレたちよりももっと昔、最強と言われた四天王がいてさ。その一人に数えられてるんだ」


え、なにそれチート級やん。


「鬼族は武力に優れた一族ですが、中でも彼女は魔力に優れている、吸血鬼という存在です。相手の血に宿る魔力や生気までも奪うその姿は、こう呼ばれております。血に飢えた魔女、と」


吸血鬼!! 二つ名もち!!

すげぇ! これでもかってほど強キャラ要素詰め込んでくるじゃん!

アミさんやユサさんといい、この世界の人達どうなっとんねん!!


「ふうん、あなたそんなにすごいのね」


「今頃知ったのか? どうりで敬意を感じぬわけじゃ。まあ、そういうところがサヨらしいがの」


「だってあなた、全然すごさ感じないんだもの。魔王さんから、話とかも聞いたことないし。おばあちゃんみたいなのよね」


おおう、相変わらずの正直っぷりですなサヨ君……

しかしそんな彼女を分かっているとでもいうように、ルシェさんは豪快に笑って……


「カッカッカッ! 相変わらずじゃのう、サヨは。じゃが、あの頃と比べて、良い顔つきになっておる。よほどいい仲間たちに恵まれたんじゃな。自分では気づいていないとは思うが」


「……別に、そういうわけじゃないけど」


「そう照れなくてもよいではないか。かわいいやつめ」


ルシェさんの手が、サヨの頬に触れられる。

が、その寸前、手をつかむ者がいた。

無論、マヒルだ。


「四天王の様子を見にきた、とか言ってた割に随分サヨにご執心じゃない。知り合いだからって馴れ馴れしすぎじゃないかしら!?」


「別にこれくらい普通じゃろう。お主はなにをそんなに怒っておる」


「うっさい!! そもそも気に入らないのよ!! 一族を捨てたくせに、よくもおめおめと!!」


「ま、マヒル落ち着けって……らしくないぞ」


ユウナギが優しく宥めても、彼女の怒りは収まる気配すらない。

同族故の知らぬ事情、ってことなんだろうか。

今んところ、私にはルシェさんが悪い人にはみえな……


……いや待てよ? これってもしかして、サヨに触ろうとしたことに怒ってる説ない??

いくらサヨが好きでも、マヒルがどうかわからない。

だから共通の知人を、って話になってたけど……

これってもしかして、彼女の心を知る特大チャンスなんじゃ……!?


「そういえば!! マヒル、サヨにお守り貰ってたよね? それのお礼とか、しなくていいの??」


唐突な私の言葉に、みんなの視線が向く。

中でもマヒルは、余計なことをとばかりに顔を顰めさせた。


「それ、今関係ないでしょ。何よ急に」


「優勝したし、それくらいはしないとじゃないかなぁって」


「そういえばわしも、四天王就任祝いを渡しておらんかったのう。すっかり遅くなってしまったが、何か欲しいものはないのか?」


せっかく私が機転を利かせた言葉が、あっという間に彼女へのものへかわる。

こやつ、もしかしてかなりの強者か?? なんて思い睨んでいると、案の定マヒルも歯向かってくれた。


「ちょっと! 今あたしが話してるとこでしょ?! 入ってこないで!!」


「何もお前にやるとは言っておらんじゃろ。そんなに欲しいなら、お前にもやるか?」


「あんたからのお祝いなんて、こっちから願い下げだわ!」


おお、見事にバチバチでんなこの二人。

だがしかぁし、こちらもノープランで言ったわけではない。

むしろこうなってくれた方が好都合である。

そっちがそうでるなら、こっちだって……!!


「それなら、私にいい考えがあるよ!! サヨの欲しいものを二人で当て合う、ってのはどう?!」


「上等じゃない!! あたしが勝ったら、もう二度とあたしに関わらないって約束して!!」


さすが負けず嫌い、というべきか。そんな私の言葉に、まんまと乗っかってくれる。

しかし、そんな私とマヒルとは裏腹に、ルシェさんはにやりと笑ってみせた。


「わしと駆け引きをするとは、なかなかに面白いことをいう……それなら、わしも褒美をもらおうか」


「はんっ、好きになさい。もっとも、あたしが負けるわけな……」


「わしが勝ったら、サヨをもらって行く。未来永劫に、な」


あ、あんだって!!!?


(つづく!!!)

ちなみにソルー・ルシェの職業・魔女は

魔法使いの上位職、みたいな設定です。

魔女はフランス語でソルシエール。

彼女の名前は、それのアナグラムになってたりします


四天王が癖強なので薄れがちですが、

サブキャラ全員、濃度100パーです。

正直、キャラの強さに関しては

アミやユサにも勝るのでは? なんて思ってます。


次回、マヒルVSルシェ!?


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