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おいしい時間〜小さなお菓子の物語〜  作者: 地野千塩


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番外編短編・特別なホットケーキ

 時間が経つのはあっという間だ。もうすぐ真白さんと結婚して三周年だ。結婚記念日は沖縄へ旅行に行くつもり。


 今日は仕事の打ち合わせで外出していたが、それが楽しみ。結婚三周たっても仲良しだって近所の人から笑われたりもするけど、事実なんだから仕方ない。中には子供がいないからって見下してくる人もいるけど、所詮、他人の言うことだ。私たちが幸せだったら、特に関係ない。


「ただいま」


 そんなことも考えつつ、自宅の玄関に帰ると、ふわっと良い匂いがした。メープルシロップの優しい甘い匂い。思わず唾を飲も込む。おいしそう。食べたい。いや、真白さんが作るものは何でもおいしいけれど。


「雪乃さん、おかえり」

「え、真白さん、今日早かったね?」

「うん。今日はお客様いっぱいで予想外に早く売り切れたし、やっぱり、もうすぐ旅行だと、ね? そうそう仕事にならないというか」


 真白さん、少し照れ笑い。こちまで恥ずかしくなってきたが、食卓の上にはホットケーキがある。パンケーキじゃない。まさにホットケーキだ。厚みがあり、ふわふわ。どこか懐かしい匂いも鼻をくすぐる。


「これ、焼いてくれた?」


 真白さんは頷いて目尻を下げた。ふにゃとした笑顔。悪く言えばだらしない笑顔だが、この顔は私しか知らないはず。きっと真白さんのお客様が見たらびっくりする。


「ホットケーキって家でしか食べないでしょ。店には出さないメニュー。雪乃しか食べられない。特別」


 その声、メープルシロップよりもよっぽど甘い。困った。もう結婚三周年というのに、ちっとも新婚気分が抜けない私たち。


「もっと甘くしてもいいけど?」


 耳元で囁かれてしまい、ホットケーキを食べたい気分でもなくなってしまった。

ご覧いただきありがとうございます。番外編短編です。

昔の作品ですが、なろう収益化のポイントがついておりまして、大変うれしく思いました。ありがとうございます。


現在、北欧カフェ舞台のほんわか恋愛小説もアップしております。こちらも是非よろしくお願いいたします。

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