婚約破棄の悪影響
私と殿下の婚約破棄が発表されてから一週間が経過した。
婚約者で無くなったおかげで王妃教育にかけていた時間が無くなり余裕ができた。
今まで出来なかった放課後の寄り道が出来るようになり話題のスイーツ店や雑貨屋等に立ち寄り充実した学園生活を過ごしている。
まぁ、いろんな視線が刺さってはいるけど気にはしていない。
今は普通の学園生活が送れるのが楽しくて仕方がないのだ。
一方の王太子様はかなり大変なようだ。
「次の婚約者が中々決まらなくて困っているようだよ」
帰宅したお父様がそんな事を言った。
「殿下有責の破棄だからね、有力貴族も距離を置いているようだ。我が国で婚約者を見つけるのは難しいだろうな」
「という事は同盟国の王族となりますね」
「そういう事になるな、実際打診をしているからな」
「お父様が打診してるんですか?」
「宰相の仕事だからな」
そう言って苦笑いをするお父様を見てなんか申し訳なくなってしまった。
「ところで例の男爵令嬢はどうなったんだ?」
「ミーナ嬢ですか? 婚約破棄が公に発表された時に謝罪を受けまして、それで和解しましたわ。ただご実家は大変な事になったみたいで……」
我が家は別に男爵家に抗議とか謝罪要求とかはしていないがどうやら王家から抗議が来たみたいで現在は色々大変みたいだ。
「ミーナ嬢もご両親から厳しい叱責を受けたみたいで学園卒業と同時に勘当されるそうで憔悴してましたわ」
「ふむ、王家を敵に回すのは貴族としては死に等しいからな、茨の道だろうな」
まぁ私も今の所、新しい婚約の話も来てないので当事者である私、王太子様、ミーナ嬢の道は厳しいかもしれませんね。