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ARVRL  作者: ラス
8/34

ARVRL8

24:00、いつもなら大半の人は夢の中にいるこの時間も、今日、クリスマスイブだけは違う。


最後はアズとラドのペア。たった3時間前までヴァンパイアだったラドは一体どうなるのか、そしてラドと組み合わさることでアズはどんな変化が生まれるのか。もう既に配信されている4曲が異常なまでに素晴らしかったため、最後の楽曲に寄せられる期待がものすごく大きいことは確かだ。


そして動画がアップロードされた。タイトルは「EVE(イヴ)ING(イング)」。クリスマスのイブにピッタリのタイトルだ。だが、それとは裏腹にMVは予想を大きく外れ、いや、大きく上回るものだった。一言で言うと最強だ。特にアズが。

2人はMVでは魔法使いになっている。アズは水を操る魔法使いに、ラドは火を操る魔法使いになっていた。最初は見習い魔法使いで、魔法を失敗してしまうが、たくさん練習してだんだん上達していく。しかし、ラドの方が魔法の才能があったため、少しずつ差ができてしまい、やがて2人の間に大きな溝ができてしまった。上手くできないアズは、だんだん苛立ちを覚えてしまうようになり、水ではなく氷を生み出してしまう。そして精神が崩れていってしまったアズをラドが強力な炎で溶かし、声をかける。アズが流す涙とラドとの友情を描いた感動作となった。

そしてアズの涙がアズ自身の魔法で雪へと変わり、満天の星空の元で小さく降り積もる。この時、現実世界でも少量の雪が全ての地域で降ったそうだ。

アズの美しい涙と世界の奇跡に心を奪われる「最強」のMVとなっていた。

アズとラドの楽曲がまさか感動作だなんて誰が思っただろうか。誰も予想できない結末にものすごい満足感が得られた。


これで全5曲すべての配信が終了した。ある程度予想していたが、まるで裏切られた。凄すぎる。

アズヴァンが王子様になったILLUSIONから始まり、リーシャラズのSECRET、リーシャヴァンのSHAKE、ラズラドのCHASER、そしてアズラドのEVEING。どれもそれぞれのペアにピッタリの曲であることはもちろん、MVへのこだわりやストーリー性、仮装、歌、ダンス、あらゆるものが予想の上をいった。

昨日までは、「ヴァンは歌が苦手そう」や「アズは真面目すぎてMVに映えないのでは」と言われていたが、そんな心配全くいらなかった。

イブをこんなにも輝かしいものにしてくれたARVRLには感謝するしかない。まだ初投稿から2ヶ月も経っていないのに、ほとんどの人がARVRLを知っていて、全ての人がARVRLを応援しているだろう。

彼らには、彼らにしかない魅力があるだけでなく、彼らにしかできないこともある。このクリスマスイブはそれを可視化しただけに過ぎない、ことは分かっているんだけど…あらためて実感すると驚いてしまう。

ARVRLが異端となり世界観が形成されたクリスマスイブとなった。

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