ARVRL31
ついにARVRLが初めて公式に場に立つノーベル平和賞の授賞式の日になった。
ARVRLは宣言通り、アズとリーシャのみ参加するらしい。しかしそれでもこの授賞式がARVRLを生で見れる最初で最後になるかもしてないと大金持ちや社長らがこぞって参加を希望したが、実際参加できるのは数十名。実質的にこの数十名が世界を束ねるトップと言えるだろう。並程度の大金持ちではない。その更に上をいく超がつく人達だ。いよいよ本番が近づき、その選ばれ抜かれた参加者が登場する。まず初めにノーベル平和賞の委員の方が入る。この人たちもまたかなりのキャリアがある人だ。ARVRLの身の安全も考慮して、人数は例年より少なめにしてあるらしいからだ。そして世界の大物が姿を現す。情報社会を操る人、もちろんその中にはマインチューブの社長もいる。そしてトップアスリートからトップアーティスト、大統領やロイヤルファミリーまで。今ここに隕石が落ちたとしたら世界は必ず混乱するほどの大物中の大物が集結した。だが、いつになってもARVRLは姿を現さない。車の動きも見ているがほとんど入出はない。もうすぐ始まってしまうのに。
「只今より授賞式を開催する。」
ああもう始まっちゃったよ!まさかのドタキャン?ありえないが…。そう思っていたら…
「それでは受賞者の入場に移る。受賞者入場。アズライト様、シリシャスシスト様。」
!?!?いる!?まさか、いつのまに?!
画面の向こうには間違いなくあのアズとリーシャがいる。メディアに捕まらずにどうやって会場に入ったんだ?まさか瞬間移動?テレポーテーション?いやまさか。
「ノーベル平和賞受賞者、アズライト様、シリシャスシスト様。御二方が所属されるARVRLは動画投稿サイトマインチューブにて20XX年10月31日より活動を開始され、当初より屈指の人気をはくし、また、あらゆる発明を発表され、全世界の共通のトピックと成りました。これより受賞者からお言葉を頂きます。」
アズ「ご紹介して頂き感謝申し上げます。ARVRLのアズライトです。これまでARVRLは動画投稿という現代を代表するツールの可能性を研究理念として活動してきました。こうして大きな力となり、世界を優しく包む存在となることができたのを誇りとし、また、たった一人の力添えが億を生んだ皆様の応援に感謝申し上げます。この度は誠に嬉しく存じます。」
リーシャ「ARVRLのシリシャスシストです。このような名誉に大変感動を抱いております。世界を明るく暖かく住み心地の良い場所となるようにと活動を始め、私たちARVRLによって少しでもそうなることができたのならば幸いです。愛のある応援と皆様の暖かい行動を心より感謝しております。また、本日はお集まりくださって誠にありがとうございます。」
しゃ、喋ってる…!信じられない。画面越しに見る自分でも信じられないのに、会場にいる人達はもっとありえないのだろう。アズとリーシャはいつも通りよりも少し紳士淑女となって座っている。一切気を抜かずに。世間ではARVRLは高校生ぐらいだと言われているが彼らのプロ意識は相当なものだろう。流石生徒会、エリートなだけある。




