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ARVRL  作者: ラス
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ARVRL30

ユナカイトの存在は瞬く間に話題となった。ずっと気になっていたあの不思議な音声は編集者であるユナが発明したのだろう。なんせメンバーのなかでも天才と称されることの多いラズとラドが揃って天才だというのであれば、それくらいの発明は容易いことだろう。6人目のメンバー、メンバーの追加と言ってもいいのか分からないが、きっとメンバーが増えることはこれが最初で最後だろう。それにしてもユナカイト…ビジュアルが見てみたい…。だが世間はビジュアルについてはあまり期待していなく、理由は簡単だ。ARVRLの5人のビジュアルが高すぎるからだ。少しビジュアルに自信があってもあの5人のなかには入れない。自分もいい気がしないし、5人にも申し訳なくなってしまう。だからユナカイトは正体を隠すように表舞台に上がってこないのだろう。だが、いくらビジュアルが悪くてもいいという熱烈なファンがついたようだ。6人目の期待もあってか、発覚して一日もたたないと言うのにユナカイトの人気は大きなものとなっていた。

そうそう、巷ではメンバーのことをフルネームに敬称をつけて呼ぶのが流行っているらしい。アズならアズライト様、リーシャならシリシャスシスト様、と。それほど尊い存在だということらしい。また、クリスマスでの仮装にちなんだあだ名で呼ばれることも多い。アズは王子様(プリンス)、リーシャは妖精(フェアリー)、ヴァンは冒険者(チャレンジャー)、ラズは小悪魔(ヴァンパイア)、ラドは喰屍鬼(グール)。APPもあってか、以前よりももっとARVRLの人気と好感は高まるばかりだ。彼らを越すものはもういないし、同じ時代に生まれてきたことに誇りを持つものもいる。ARVRLのリーダーアズは「努力という才能を確立させた希望の象徴」「奇跡の世代の最高の奇跡」「誰もが夢見た物語に登場する王子様」「プリンスオブアドマイアー」「この人こそ世界のトップ」と評価され、ARVRLの末っ子リーシャは「宇宙一魅力的な女神」「舞い降りた妖精」「我らのマンネ」「プリンセスオブアドマイアー」と評価され、抜群の身体能力をもつヴァンは「スポーツ界の神童」「ARVRLの唯一無二のアスリート」「不真面目な緑髪の王子」「ファンの民度が1番高いメンバー」と評価され、ARVRL屈指の天才ラズは、「間違いなく世界で1番美しい人」「気品溢れる淑女」「何をしても才能で圧倒する奇才」「ブレステイキングビューティ(息をのむほどの美しさ)」と評価され、甘い言葉で魅了するラドは、「ギャップのプロ」「色気の天才」「必然的に魅了させる人」「見透かしたようなヴァイオレットアイズ」と評価されている。

いよいよノーベル平和賞の授賞式が近づいてくる。既に授賞式に参加するためのチケットはプラチナ物。どんな金持ちでも手に入らないと言われている。開催されるのはもちろんアメリカ、ニューヨークシティ。どんな展開になるのか誰も分からない。これもまたARVRLは分かっているのかもしれないが…。

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