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ARVRL  作者: ラス
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ARVRL1

ある日突然、世界が変わることがある。

20XX年、10月31日。

天性が世界を狂わす6人を生み出した。



今となっては誰もが持っているスマートフォン。そのアプリにはたくさんの種類がある。その中でマインチューブは最も名の知れた動画投稿アプリだろう。


そのアプリに昨日、1本の動画が投稿された。


どんなにすごいアーティストでも世界中が注目することはほとんどないだろう。だが、この動画だけは、たった1日で世界中の全ての人が見ても足りない、100億回再生を記録した。


「罪人、ヘルクロウ・ヴァンピールを斬罪に処する」


このセリフから始まり、西洋の昔、貴族の間で起こる嫉妬や駆け引きが展開されていく。最後には主人公が幼少期にタイムスリップする物語だ。

異常に豪華で精密な舞台セットに、圧倒的で引き寄せられる演技に感動したが、役者は誰一人知らない。それに、エンドロールが出てくるまで気づかなかったが、役者が5人しかいないんだ。本当に気づかなかった。絶対そんなわけないのに、見返してみると確かに5人しかいない。

そして、この動画で最も変なのは、セリフが日本語だというところだ。まあ別に変じゃないじゃないと思うかもしれないが、そうじゃない。この動画は母国語が英語であるアメリカ人が見れば英語に聞こえて、中国人が見れば中国語に聞こえる。おかしいだろう?僕が見ると日本語にしか聞こえないから他は知らないが口の動きは絶対に日本語を喋っているようにしか見えないんだ。でも外国人も僕と全く同じことを言うんだ。本当に奇妙で仕方ない。

だが、その奇妙さもかき消してしまうほど、動画の質が最高に良い。このドラマを撮るのにどれだけ時間がかかったのか…投稿した人や役者が無名のまま終わっていたらと思うと辛くなる。まああの奇妙さが解けないことには絶対に話題となるだろうから失敗の心配がなかったんだろうけど。


この動画は瞬く間に拡散され、あっという間に世界共通の話題となった。彼らは一体誰なのか、奇妙な音声、異常なセット、そして編集。動画の全てがこの世のものでないと思えた。彼らについて分かることはたったこれだけ。


役者5人の名前が


AZ(アズ)

REASHA(リーシャ)

VAR(ヴァン)

RAZ(ラズ)

LUD(ラド)


であることと、


彼らのチャンネル名が


ARVRL(オルヴァール)


だということだ。

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