表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

月夜譚 【No.101~No.200】

正しい回答 【月夜譚No.157】

作者: 夏月七葉

 最適解には、程遠い。あの時、もっと違う行動をしていたら、きっとこうはなっていなかった。

 しかし、その時の状況下で何が最適解なのかを導き出すのは、神以外には不可能だろう。未来がどうなるかなんて、我々人間には知り得ないのだから。

 それでも、過去の自分の行動を悔やまずにはいられない。たとえ最適解でなくとも、今よりは随分マシな答えも出せたのだろうから。

 抜けるように青い空を、彼は腰を下ろした芝の上に手をついて見上げた。横切っていく二羽の鳩を、少しばかり羨ましく思う。

 いくら悶々と考えたところで、過去は何一つ変えられない。けれど、つい考えてしまうのだ。人間とは、きっとそういう生き物なのだろう。

 彼は上体を倒して大の字になった。風が心地良い。頬を掠める芝が擽ったい。

 このまま何も考えず、自然の一部になれたら良いのに――。

 彼は大きく息を吸って、目を閉じた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 描かれる爽やかな風景と、後悔に沈む心との対比が綺麗です。 ありがとうございます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ