7、川沿いの小道
夏到来とはいえ、ここの朝は涼しい。高山植物がその辺に生えているのも、うん、そりゃそうだ。
今日は一日、天気が良さそう。透き通るような青空が一面に広がっている。
川沿いの小道を歩くのは、ほのかに楽しい。
野乃花「がー、がー、がーがーがー。」
先生「何をやってるんだ、ノノは。」
野乃花「がー。
あ、センセおはようございます。」
先生「あぁ、おはよう。」
野乃花「朝から、ルーカースーラーがけたたましいので、御指導御鞭撻してました、がー。」
先生「あのカラスに対してか。」
野乃花「うん。ルーカースーラーね。」
先生「ノノは随分と難しい言葉を使うな。使い方はさて置き。」
野乃花「これもひとえに、日頃のセンセの御教授の賜物で、在りし日の歌ですよ。」
先生「中原中也か。」
野乃花「お前何中? 俺、中原中や!」
先生「御指導!」
野乃花「御母堂!」
先生「古武道!」
野乃花「こぶとり爺さん!」
先生「……。」
野乃花「……。」
野乃花「ボクはですねセンセ。現在は鳥危機の影響で鶏肉が高騰しておりますが、とはいえザンギが好きなのです。がー。」
先生「確かにザンギは、我々の日常的ソウルフードだよな。」
野乃花「ところがどっこい。セコマのフライドチキンの方が最高作ではないかと、ボクは思うのです。」
先生「う~ん、確かに反論の余地はない。」
野乃花「さらには、ザンギだからザンギエフで、だからといってここはロシアの植民地なわけではないと、ボクは思うのです。がー。」
先生「食文化とか、ちょっと独特だからな。赤飯が甘いし、納豆に砂糖入れるし。」
野乃花「納豆に砂糖入れるのは、お年寄りだけだよ、センセ。」
先生「御鞭撻!」
野乃花「5円出す!」
先生「誤飲注意!」
野乃花「ゴーイングマイウェイ!」
先生「……。」
野乃花「……。」
先生「まぁ焼き鳥が高騰するのは悲しいよな。」
野乃花「焼き鳥は豚肉だから大丈夫。」
先生「焼き鳥頼んで豚串が出るのは室蘭だけだけどな。」
野乃花「御教授!」
先生「五稜郭!」
野乃花「胡麻豆腐!」
先生「誤魔化そうったって、そうはいかねぇぜ、ノノさんよう!」
野乃花「がー、がー。」
先生「……。」
野乃花「……。」




