5、ジンギスカン
桜の花びらがひらひらと舞い落ちる木の下に、ウッドテーブルと椅子が二つ。
テーブルの上にはじゅうじゅうと食欲を誘う音、そして立ち昇る香が、ボクをくぎ付けにする。
野乃花「センセ、ジンギスカンにモヤシは必須だと、ボクは思うんだよね。」
先生「そうだな。」
野乃花「キャベツも必須だと、思うんだよね。」
先生「そうだな。」
野乃花「ピーマンと、カボチャと、トウキビと、ナスと、長ネギと、玉ネギと、アスパラと、ジャガイモは、無くてもいいと、ボクは思うんだよね。」
先生「あったら入れるだろ、普通は。あとニンジンとか。」
野乃花「行者ニンニクは入れてもいいけど。」
先生「これこそ時期物だけどな。」
野乃花「だからセンセ、野菜は全部食べていいよ。」
先生「そもそもさっきからノノは、肉しか食べてないけどな。」
野乃花「ボクはラムよりマトンの方が好きです。」
先生「さすが道産子。でも野菜も食べた方が良いと思うぞ。」
野乃花「ビールはおいしいですか、センセ。」
先生「最高だな。」
野乃花「リボンナポリンもおいしいです。」
先生「さすが道産子。でも野菜も食べた方が良いと思うぞ。」
野乃花「うどんは入れる派ですか、センセ。」
先生「どちらかといえば入れない派。」
野乃花「ボクも入れない派です。」
先生「そんなノノは間違いなく肉派だけどな。やっぱり野菜は食べた方がいいと思うぞ、食事バランス的に。」
野乃花「花見と言えば。」
先生「ジンギスカン。」
野乃花「ジンギスカンと言えば。」
先生「生ビール。」
野乃花「生ビールと言えば。」
先生「乾杯。」
野乃花「かんぱい。」