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3、スイミンクラブ3

 ゆっくりゆっくり、雪がとけていく。ゆっくりゆっくり、長かった冬が終わる。

そしてボクはゆっくりゆっくりと、過去から遠ざかっていく。楽しかったことも悲しかったことも、思い出が雪と一緒にとけていく。



野乃花「今日という今日はニャンニャン太郎は渡さないと、ボクは宣言するんだよね。」


先生「それはうん、ニャンニャン太郎の意思を尊重すべきだと思うぞ。」


野乃花「ボクが発見したニャンニャン太郎の喜びポイントを撫でているうちは、ニャンニャン太郎も裏切らないと思っていたけれど、新聞紙をリーサルウエポンするのはセンセ、反則だよね。」


先生「そういうつもりではなかったのだがな。広げた新聞紙の上に猫が伏せるのはなぜなのか。おかげで全く読めないのだが。」


野乃花「センセはいつの道スポ読んでるの?」


先生「あぁ、たまたま2年ぐらい前のを見つけてな。あれから2年以上経つんだな。」


野乃花「うん。時間って早いのか遅いのかわからなくなるよね、センセ。」


先生「つい数日前のことのようにも、何十年も昔のことのようにも感じるよな。」


野乃花「何十年も昔には、ボクは生きてないけどね。」


先生「言葉の綾、譬えというやつだよ、ノノ。」


野乃花「綾だけに。」


先生「……。そう、綾だけに。」



野乃花「それはさて置きセンセ、今日という今日こそはニャンニャン太郎を独占したいと、ボクは嘆願するんだよね。」


先生「ほう、ということはこれから説明があるのか。」


野乃花「なんで?」


先生「いや嘆願ってそういう意味だからな。」


野乃花「……言葉の綾、譬えというやつだよ、センセ。」


先生「綾だけにか。」


野乃花「うん、綾だけに。」


先生「出来ることが限られてるな、人生は。」


野乃花「そういうもんだと、ボクは思うよ。」


先生「黙祷。」


野乃花「黙祷。」




先生「さて、そろそろ昼寝とするとするか。」


野乃花「今日はボクが甘んじて抱き枕係なので、」


先生「一応順番だしな。」


野乃花「内側から、ニャンニャン太郎、ボク、センセのフォーメーションで考えています。」


先生「異論は無いが、ニャンニャン太郎次第だな。」


野乃花「センセの上に寝るニャンニャン太郎にちょっとジェラシーなのですよ。」


先生「不本意なんだがな。」



野乃花「おやすみなさい。」


先生「あぁおやすみ。」


野乃花「またあとで。」


先生「また後で。」

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