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雨のち晴れのち

作者: シン

雨が降っている。


人一人が通れるくらいの隙間を開けた玄関からそっと出て空を見る。


厚い雲が多い、パラパラと落ちる雨粒がアスファルトを濡らしていた。


数歩進み、掌を上向きに前に伸ばし、雨を感じる。


プツプツと雨粒が掌をノックする。


濡れた手をズボンで拭くと家の中に戻り、透明のビニール傘を取り出す。


手元のボタンを押すとハジキが外れ、バッァっという音と共に細身の傘が大きく開く。


シャフトを肩に添え、雨の中へと歩き出す。


傘地をプツプツと雨粒がノックする。


心地よい音が体全体を包み、それが面白くて傘地を裏から叩いてみる。


ボンッという音が響くと、表についていた雨粒は露先を通ることなく弾き飛ぶ。


雨足は段々と弱くなり、次第に聞こえてくる音も少なくなって、とうとう雨の音は消えてしまった。


傘を閉じ、バンドで止めると雲の合間から日差しが届いてくる。


まだ濡れたアスファルトに石突でカンカンと音を鳴らしながら、明日へと向かっていく。

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