機械仕掛けの勇者
「コンッバーーーージョン!」
俺が高らかに叫ぶと、機械仕掛けの白銀の獅子が現れ、俺はそいつの体内へ蒼の光とともに取り込まれる。
その獅子の姿が、人へと変わる。
「ファイナル!コンッバーーーージョン!」
俺を中心として回転し、蒼の竜巻が形成される。
回転しながらさらに俺が変形する。
いつの間にか現れた高速鉄道用と思しき車両と漢の夢、双頭のドリルを持つ戦車、ステルス戦闘機が受け入れ態勢の整った俺と合体を果たす。
「ブレイバー!」
威風堂々、重厚なる存在感。
一回りも、二回りも小さい、敵を見つめる。
「魔王、勇者の力見せてやる!」
一歩踏み出し、その右手を突き出す、
「デストロイ・マグナム!」
高速回転した右手が敵に向かって飛んでいく。
「蒼きの力の持ち主よ、この程度の攻撃、我には効かぬぞ」
飛んできた拳を受け止め、放り捨てた魔王は、地面を蹴り目の前に一気に迫ってきた。
残った左腕で迎え撃つ、俺より小さい体であったが、力は拮抗し、お互いに反動で押し戻される。
このタイミングで飛んで行った右手が帰ってきた。
「この姿では倒せぬか」
魔王がそういうと、人型であったその姿に魔力が集まり、俺を遥か見下ろすような巨躯へと変わる。
「フハハハ、蒼き力の主よ、おとなしく緩慢な死を迎えるがよい」
圧倒的な魔力に、俺は膝をついてしまう。
だが、決して目線を奴から離さない。
「屈するものか、勇気の力は負けない!」
俺の体から蒼いオーラがあふれる。
さっきまで体を押しつぶそうとしていた感覚が消え、俺は立ち上がり、魔王に飛び掛かる。
「ユ=====シャ===!!!!」
魔王も右手を振り上げ俺を殴り飛ばそうとしてきたが、それを潜り抜け懐に飛び込み、一発お見舞いする。
苦悶の雄たけびを浴びながらその曲が後ろに倒れる。
「ギガンティック・ハンマー!!」
俺の右手は、いつの間にか黄金に輝く巨大な拳とハンマーが握られていた。
倒れ伏した魔王の中心、魔物には必ずある魔核めがけてハンマーを振り下ろす。
「滅びろ!魔王!!!」
魔王の体は、上りつつある朝日とともに光へと変わっていった。
勇者として召喚された青年が己の思い描く勇者。
真なる勇者、勇者王。
見るものに勇気を与え、あらゆる困難を勇気と友情で打ち破る、ありふれたサーガ。
一応、ロボのサイズは2~3mがいいとこかなと、元通りだと、でかすぎ、被害でまくり、オーバーキル。
今思うと、ロボというよりスーツになってしまうかな。
それなら赤いスーツのやつでも面白そう。