キ・ズ・ナ
街行く 学生服の
女性徒たちが仰ぐ
限りなく 孤独に染まる 空色は 淡く
コンビニの 片隅で
腰降ろす バイトの少年
彼らが見る 青い天窓
透き通り 一人
風が吹いて 一つの息吹
くるめ取って ひび割れた大地に 一粒
涙夢のあと
静かな午後の名残 放課後は消ゆ
壊れかけた掌にも 涙が落ちる
電車のつり革 握る
イヤホンをした女学生
目を通す その書籍には
秘めやかな 恋の痕
プールで泳ぐ 学生
水飛沫をあげて
体ごとに ターンを決めて
水面から 顔を覗く
渇いた花の 夢も消えて
路線を走る 列車の先に
輝いた明日
未来も過去もない空
雲さえ溶ける
憂いげな午後に灯る
若人の 愛
静かな春風とともに 届いた
見えない 手に取れない 触れない 絆
めくるめく光が その先に明滅している