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高くつく

 怒涛の連打。

 ただの子供ではあり得ぬ、能力者だからこその高速の連打。

 ペインターは敵意むきだしで拳を振りぬき、蹴りを浴びせ続ける。


 一方のレンゴクは防御に徹した。

 両腕を上げてわずかにステップを刻みながらひたすらに攻撃を受け、耐える。

 華麗とは言いがたい、亀のような守り。


 傍からみればそれは一方的な展開だった。


 その最中、一瞬の隙をついてレンゴクが蹴りを放つ。

 猛打を浴びる中での起死回生のカウンター攻撃……。


 には、ならなかった。

 ペインターは綺麗にその蹴りを受けて後方へと距離をとるようにして飛び下がる。


 そして敵意と侮蔑の表情を浮かべて少年は言う。


「ハッ、おっさん口だけかよ。えらそうな口をきいてやがるから、どれほどのもんかと思ったら……、とんだ雑魚じゃねぇか。掃除屋としちゃ三流以下のゴミだぞお前」


 シンメイの影に怯え抱いていた過剰なまでの警戒心は完全に消え失せていた。

 予想もしなかった戦況に、ペインターは余裕の笑みすら浮かべている。


 対してレンゴクが浮かべる表情は険しい。

 ガードの上からとはいっても、打たれ続ければノーダメージとはいかない。

 猛攻を受けるうちに口の中が切れたらしい。

 荒い息を整えるレンゴクの唇から、たらりと血が流れ落ちる。


「おいおい、もう一杯いっぱいかよ。高くついたな、えぇッ!! 誰がゴミだってんだ、もういっぺん言ってみろよ、おっさん!!」


 凄むペインターにレンゴクは沈黙するだけ。

 何一つ言葉を返しはしなかった。


「だんまりかよ、情けねぇカスがっ。まっ今さら勘弁してくれは通じないけどな。どんな泣き言ほざこうが、払ってもらうぜ。俺をイラつかせた代償ってやつは!!」

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