趣味と同意と俺TUEEE
父とのちょっとした会話から書いたみたくなりました。
短いですが最後まで見ていただけると嬉しいです
人の趣味は多種多様。
物凄く大雑把にくくってもスポーツ、インドア、アウトドア、芸能人、本、アニメ、ライトノベル、ゲーム等があるし、それぞれのジャンルについて例を挙げればキリがない。
それぞれの趣味に貴賤なんて無いし、お互いに理解出来ずいがみ合うことだってあるでしょう。
そんな中、ふと私が感じたことについてここで少し述べさせて頂きたいと思います。
それは高校生活も折り返すかどうかという頃。
父が私に向けてこう言いました。
「お前もそろそろ善悪の判別もついてきてる頃だろうし、そういうアニメとか俺は分からないけど認めてあげよう」
私が古本屋で買ってきた「東方求聞口授」という本(半額でした、値段が3桁とか美味しいです)を父が見つけたというシチュエーションで言われた一言ですが、これに対して私はひとつの引っ掛かりを覚えました。
――認めてあげよう
父は結構古い、しかも田舎育ち。
今はなりを潜めていますが、私の小さい頃はアニメに対する嫌悪のようなものが激しい人でした。
また己の武勇伝――というより苦労自慢のようなものも、小さい頃はよく聞かされていました。
そんな父からかけられた上記の言葉。
最初は「ああ、認めてくれたのか」程度に考えてましたが、父の口元にわずかに浮かんだいつも自慢げに話す時の笑みを見て「何か違う」と思ったのです。
話は変わりますが、人には自己顕示欲というものがあります。
テストで良い点とって目立ちたいとか、体育祭で集まる猛者を押し退けて優勝したいとか。
いわゆる「俺TUEEE」というやつです。
また変則的(あくまで作者の主観ではですが)な自己顕示欲として、自らの逆境をひけらかしたりすることで自己顕示する場合もあります。
よく自嘲ネタとも言われるもので、
「あれは大変だった、死ぬかと思ったね」
「いやあ俺頭悪くてさ、この前のテスト下から3位だったわ」
「あの仕事受けたから、これから大変になるなあ。ああ忙しい忙しい」
これらがそれに当てはまると思います。
読者の皆様にも聞き覚えのある、または口に出したことのある台詞があるのではないでしょうか。
さらに別の場合として、懐の広さを見せて自己顕示欲を満たすパターンもあります。
「普通の相手なら怒っているが、相手はこの俺だからな。まあ今回は見逃してやろう……感謝しろよ?」
これはきっとどこかで聞いたことがある人がいるはずです。
閑話休題。
私がどや顔の父の言葉を聞いて浮かんだのは、最後に紹介した自己顕示欲でした。
原理としてはこうです。
アニメとは害悪である。
だがまあ状況次第では認めてもいいだろう。
流石自分だ、よろしくない趣味でも認めてあげている。
直接父に尋ねたわけではないので真相は闇の中。
しかしこれが真実なら、口で認めると言っておいてその実全く認めておらず、ただ自己顕示のダシに使っただけになります。
世の中には数えるのも面倒なくらいの趣味があります。
時にはお互いに理解出来ずいがみ合うでしょうし、また全く別の趣味を持つ人同士が理解しあうこともあるでしょう。
ですが、例えば貴方が相手のことを認める時。
そこに自己顕示のフィルターがかかっていないでしょうか?
自分があまり良く思ってない趣味を持つ相手を認める俺流石だぜ、などと思う時は無いでしょうか?
もしそういう場面になったとき、1度何も考えずに相手のことをただ見てあげてください。
そうすることで、きっと口だけでなく心から相手に1歩踏み出せるのでしょうから。
かなり短いですが、ここで私は筆を置かせて頂きます。
もしこれを読むことで、少しでも自分が手を伸ばしていない趣味に対する見方が変わったのであれば幸いです。
さっすが俺、途中から何が言いたいか分からなくなってきたぜ!
↑自嘲的自己顕示