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JR部の本質

始まった日葵さんの説明。それはずっと思っていたより壮大な話だった。

「JR部っていうのは大きなボランティアグループっていうのが大まかな説明だね。それは知ってたでしょ?」

僕は無言で頷く。

「その、ボランティアっていうのはかなり幅が広くてね。いじめ対応とか、暴力行為対応とか、そんなことまでやってるんだ。」

その時点で僕にとっては驚きだった。

やってることといってもせいぜい地域を綺麗にするとかそんなことだと思っていたのに......。

唖然とする僕は気にせず彼女は説明を続ける。

「つまり、この辺はJR部の自治区域的なものになっているの。新町JR部って言って近隣の4校と一緒に会議を開いたりして国からもらった収入をどうするかとか、そんなこと話し合ってる。」

驚いていた僕に降ってきた更なる事実に僕は驚愕した。この世界の裏にそんな世界があったのか?地域の末端の高校生には知り得ない裏話。そこにある壮大な事実を想像しふっとため息をついてしまった。

「これで大体わかったかな?だから試験とか行って関係者をできるだけ絞ってるんだ。」

よく分かった。分かりました。

壮大な事実があることに驚きはしたが僕はこれが作り物だろうと思っていたのかもしれない。思ったよりすぐ飲み込むことができた。

「ちなみに榎はJR部所属じゃないんですよね?どういう関係者なんですか?」

彼女は頷いた。

「彼は中学時代、中学JR部の部長をしていたからね、特例なんだ。知っていることも多いからね、手伝ってもらってるんだ、部活に支障をきたさない程度に。」

中学JR部?それに榎が入っていたから協力を頼まれているということか。

僕の知らない世界を知っている彼らの話についていけず僕はちょっと嫉妬してしまったのだろう。思ったよりすんなりと言葉が出た。

「それじゃあ試験。受けさせてください。」

日葵さんはまだ早いでしょ?みたいな驚いた顔をしていたが隣のピンク髪の確か花蓮と呼ばれていた美少女はうん。と頷いた。

「それじゃあ、始めよっか!」

そして彼女は立ち上がった。

試験監督は彼女だったらしい。

ピンク髪の彼女に連れられて部屋に入ると椅子が二つ用意されていた。

「それではこれからJR部試験。面接を始めます。」

彼女は大きく頷いた。


始まった面接、それは意外なものだった。

「出身中学校はどこですか?」

「住所はどこですか?」

とりあえずそう個人情報をさまざま聞かれ、その次の質問は

「安楽死についてどう思う?」

ということだった。

「最近日本での安楽死の必要性について問われてるじゃない?その問いについてあなたに意見を聞きたいの。」

どう答えるのが正解なのか。正直質問の意図が読めなかった。ただ、これがそういう面接だということを僕はそう悟った。

「安楽死には僕は賛成しません。死ぬというのは人間が選択できるものなんかじゃない。生きられる限り生きることが人間の勤めでありそれは大罪ではないでしょうか?」

彼女は大きく目を開いた。

「それじゃ事件に巻き込まれ死ぬというのも大罪なのかな?どうも納得いかないのだけれど。」

ひとまず良いリアクションをもらえて安心だ。

僕は言葉を続ける。

「自殺は自分を殺すということですよね?自然な状態を崩したのは殺した人です、受け身は決して意志あってのものではないですから。なので他人を殺すことが大罪であるように、自分を殺すことも大罪であると思うんです。」

彼女は頷いた。

「確かに君の言う通りだよ。ただ、それが確かなこととしてそこに利点はないでしょ?安楽死は社会に良い影響をもたらすと考えている人にはどう説明するんの?」

僕は正直社会への良い影響を語り他を見ない人が大嫌いだ。ただの自己中じゃないか。しかし自分の意見が正しいと決めつけ相手の意見の良い点を見ないのは凝り固まった価値観を生む。確かに考えるべき事だ。

「社会への良い影響というのは社会の利便性を上げることを言っているのでしょうか。僕はそのために殺人犯を育て上げるというのはよく分からないですが、それを容認して良いとは思いません。」

彼女はまたきょとんとした顔をして、そして笑った。

「君、面白い考え方してるね。気に入ったよこれは合格でいいと思うよ。これからよろしくね、吉田くん。」

JR部に入れて嬉しいというのは何だかおかしな話な気がするが、いや、単にこの面接に合格したことが嬉しくて思わず笑みが溢れてしまった。

その次の瞬間彼女は面接をしていた部屋とJR部室を隔てていたドアを開けた。

「てことで合格です!じゃあまず自己紹介よろしく!」 

勢いが良すぎて僕は驚いたが、JR部員達は彼女の奇行に慣れているのか、おおっとそれだけで対して驚きを見せなかった。僕の合格を歓迎してくれたのだろう拍手はしてくれたがこの勢いに驚かない彼女らに僕はなかなか驚いた。

そんな風にちょっとぼーっとしてしまい面接官に頰をつねられた。

「吉田くん。何してんの?自己紹介してって言ってるよね?」

いてててっ。結構力強いな。

「あ、はい。すみません。」

素直に謝っといた方がいいな、これで謝るのも何だか解せないけれど。

彼女は肘でちょいちょいっとしてきたが、皆んなの面前でやっていることを思い出したのか少し恥ずかそうに肘を下げた。

「名前は吉田紫陽と言います。この度JR部へ入部させていただけることになりました。よろしくお願いします。」

ぱちぱちとまた拍手が起こる。全員部員なのだろうかこうして見てみるとなかなか広い部室で20人弱の人が集まっている。案外盛んな部活なんだな。

この時の僕はまだ日葵さんの話を冗談だと思って聞いていた。だから知らなかった。この部活が想像しているものよりもずっと過酷で辛い部活なのだと。


「あっさり入ったわね。ほんとによかったの?」

帰り道、なりゆきで一緒に帰ることになった桜が話を切り出した。

「別に。何かの部活に入らなきゃなとは思っていたし。」

彼女がこんなことを聞いてくるのがよく分からない。別に僕が何をしてようが彼女には関係ないではないか。もしかして意外と彼女は僕に興味を持っているのだろうか。

「そう言う桜は何故JR部に入ったの?」

なんか、なんだか彼女の顔を見ていたら聞きたくなった。何か僕の答えを期待していたような、そんな顔だったから。

それも忘れちゃったのね。

ボソッと桜がつぶやいた。そして、彼女の前を歩いていた僕の裾を、そっと、掴んだ。 

僕は不意をつかれ倒れそうになる、そこを桜が後ろから支えた。

「やっぱり貴方は紫陽じゃないの?」

......。

彼女はそう聞いてきた。

目を赤くしてそう聞いてくる彼女に返す言葉がなかった。やはり彼女はずっとそれを気にしていたのかもしれない。今まで核心をつくような話はせず外面だけで話をしてきた僕たちにとって、この踏み込みはいずれ必要なものだということは互いにわかっていたのだ。

この世界の僕は僕であって僕じゃない。

確かに吉田紫陽本人で性格や考え方は必ず同じではあると思う。それでもこの世界で生きている以上環境は必ず違う。今まで生きたこの世界の僕の人生を消して今ここに生きているんだ。

貰い受けた生を大切に使う、それこそが恩返しだ。

そして、この世界にいる人たちに真正面から向かわなければいけない、紫陽を消してしまったことについてしっかり謝罪しなければならないんだ。

僕は彼女の瞳に瞳を合わせる。

「その通りだ。僕は確かに中学校までの紫陽じゃない。でも、紛れもなく吉田紫陽だ。」

彼女は何か悟ったのか、悟ったのか。目を大きくするとふと目を伏せて、そして、少しの沈黙の後、にこっと笑った。

「なんか、仲良くなれる気がする。」

唐突に桜はそんな変なことを言った。でも、不思議とその言葉が嬉しかった。

僕らは初めて会った人達のように自己紹介をし合う。今までの桜を紫陽を忘れて、何か楽しくて、歩く足が自然とゆっくりになって、僕らは笑顔でそれぞれの家へと帰った。


「何ニヤニヤしてんの?気持ち悪いな〜。」

ご飯をもしゃもしゃと食べていると母がにやにやしてくる。

「別ににやにやしてないし。けっ。」

「反抗期かな〜。困ったもんだよね日葵ちゃん。」

「可愛いじゃないですか。今日は初めて彼女と一緒に下校したから嬉しそうなんですよ〜、仕方ないじゃないですか。」

創り上げた事実を母に話す日葵さん。かなり嫌らしい話だ、ここで否定したら恥ずかしがってるみたいになるし彼女がいると勘違いすれば面倒臭いことになりそうだし、この先桜と付き合う訳はなく友達として過ごしていくのにそれも過ごしづらくなるだろう。

ぼーっ。と1人思考していると、

「あらあらまーまー紫陽もそんな歳になったのね、少し寂しいけれど嬉しいわ〜。是非彼女に顔を出すように言っといてね。」

まあ、思った通り話は悪い方向に進みそうで、さっきまで新しく気の合う友達ができたことを喜び嬉しい気持ちだったのが、いきなり面倒事に巻き込まれたことによりネガティブな気持ちに変わってしまった。ほんとこう言うのやめてほしいわ。

この部屋に4人目の家族が来たことにより僕へのいじりが強くなったことにため息をつきながら、勝手に進んでいく母の妄想に口を挟まずごちそうさまと手を合わせるのだった。


翌日、そしてその次の日、僕は桜と一緒に登下校するのが当たり前になって、以前より充実した生活を送れるようになった。

JR部初の活動は次の土曜日だ、それまでの平日は特にやることがないし、桜も一緒に休みだから思う存分一緒にゲームや映画を楽しんだ。

互いに結構インドアなタイプだったので他人とは違う青春ではあったかもしれないがそれでもすごい楽しくてJR部に入れたことに何だか感謝したのだった。

迎えた週末。初の部活は部室でやるということだったので桜と一緒に歩いていた。

「今日は結構、覚悟して行った方がいいと思うよ。」

珍しくなかなか険しい顔をする彼女に驚きながらも今はまだやはり部活のことをかなり楽観的に見ていた。

「今日は何をするの?」

彼女は右手人差し指を顎に当てうーんと唸る。

「そうだね〜、新町地域高等JR議会議長団への立候補者の選出をするんじゃない?多分だけど。」

新町地域高等JR議会議長団か......この前言っていたJR部の自治地域があるという話はもしや、本当だったりするのだろうか。

部長だけがそう言っているとしたら少々頭のいかれた部長だというぐらいで済むが、あれだけ真面目な桜が嘘をつく訳がない気がする。唐突に可能性に襲われ不安になっていると桜はそんな僕に気付いたのかにこっと笑った。

「大丈夫だよ〜。確かにJR部の責務はなかなか辛いものではあるけどさ〜、そんなに責任持って取り組まないとやばいとかそんなものではないからさ。大金を扱う時は話が別だけどね。」

彼女の励ましに救われ少し心が軽くなった。

大丈夫だ。僕はそう自分に喝を入れ直し歩幅を桜に合わせながら、遠くに見えるJR部の部室をじっと見つめた。


「お、お二人さん着いたね〜。」

部室には日葵さんだけがいた。彼女は朝『若いお2人を邪魔にするわけには行かないので〜とか言いながら遠回りして学校に来ているはずなのに何故かかなり早い到着だ。

「日葵先輩。今朝は何だか遠慮させちゃいましたがそんなこと気にしなくていいんですよ、私達全くそういうのではないので。」

日葵さんは面白そうに笑う。

「2人ともまーた照れ隠ししちゃって、素直になりなって。」

「「うるさいな!!」」

日葵さんがあまりに面白がっているので何だか悔しくなっちゃって声を上げたがその声が揃ってしまい、まあお察しの通り、それでまたいじられてしまった。


「それじゃあ。新JR部始動します。まあといっても3年生が抜けたのは2ヶ月前だからそこからは実質新ではあったんだけど、丁度新入部員も増えたからここを節目にやっていきましょう。」

「「「「「「よろしくお願いします。」」」」」」

JR部部室に集まった面々。

皆声を揃えて頭を下げる。JR部って結構しっかりしてるんだな、まあ部長があれだから残念だけど。

「さあ、てことで本日の部活内容だけどね、今日はまず議長立候補者を決めたいと思う。」

さっきまでの温かい雰囲気が一気に冷える。部室は穏やかな雰囲気から一転、何だか殺気に溢れたような気持ちの悪い雰囲気になった。隣を見ると桜が、誰よりも険しい顔をしているのだった。


終わるところここで良かったんでしょうか?

投稿の間が空いてしまってやばっと思ってるんですけど学生なのでというか初心者なのでどうか温かい目で見てほしいです。

なんか文章書いてるとやっぱ今までのラノベの知識というかそこから展開学んでるところあるので結構そこからパクり?というかしちゃってるところあるかもしれないっていう不安はあるんですけどオリジナリティのある展開にしたいとは思います。

まあそれと急な話題転換なんですけど私結構後書き書いてる時の調子によって変な文章書くんですよね厨二病くさいというか。(いまもそうなってるのかも)なんか二重人格的な怖さがあるというか、こいつ変なこと書いてんなぐらいに思ってください。まあでも後から読んでみるとなんでも恥ずかしいものですよね。

まあてことで要は温かい目で見ていただけると嬉しいです。どうか応援よろしくお願いします。



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