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守ります
イルナは終始頬を赤らめて俺が喋っことに「ええ」「はい」と同意するだけで積極的に話してくれなかった。
(何か悪いことしたかな?このままだと悪役令嬢になって断罪されてしまう)
俺はアベルにそこことを相談するとクスリと笑ってあべるはいった。
「それはディアス様と二人きりだから緊張していたのですよ。だから今後はなるべくイルナ嬢が打ち解けやすいように彼女の返答しやすい本の話なんていかがですか?」
「なるほど。そうすればイルナもきっと心を開いてくれるな。アベル、イルナの好きな本の情報を集めて俺にもその本を用意してくれ」
「承知しました」
アベルが部屋をさったあと、俺はベッドに横になってイルナのことを思い出していた。金色の美しい絹のような髪。薄いグリーンの瞳。少し笑った時の甘い顔。
俺は一目で彼女に恋をしていた。
(イルナは何がなんでも守ってみせる。絶対に断罪などさせない)
俺は決意も新たに目を閉じた。