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ラヴ・ソルジャー ~悪魔に恋しちゃダメですか?~  作者: 紫龍院 飛鳥


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第九話


【魔王城 魔王の間】



「ご機嫌麗しゅうございます…魔王様」

「フン…」


玉座に座る魔王の前に跪く四天王の四人


「…近頃、我が軍の活動経過がどうも芳しくないようであるなぁ…特に、勇者パーティーとやらが現れてからは人間どもの”恐怖エネルギー”が年々少なくなってきているようだな」

「も、申し訳ございません…」


説明しよう、恐怖エネルギーとは…人間が何かに恐怖し悲鳴を上げた際に出るエネルギーであり、魔王自身のエネルギーの源となっているのだ。


「このまま供給が減り続けてしまえば我が肉体は力を維持することが難しくなってくるであろう…早急に勇者どもを一人残らず始末するのだ!」

「御意…」





【イフリート軍】



「…というわけだ、野郎ども!これまで以上に気を引き締めてかかれ!いいな!?」

「うおぉぉぉ!!」

「…っ」

「お前もだぞムエルタ、毎回あの重戦士一人に手こずってるみたいだがお前が本気を出せばあんな人間ごときイチコロだろう?」

「そ、それは…」

「とにかく、どんな手を使っても構わんから何としても奴を始末しろ!これは命令だ!」

「……」

「おい、返事は!?」

「…承知いたしました」



・・・・・



その夜、ムエルタはこっそりとルドルフに通話する。



「…というわけだ、しばらく二人きりで会うのは控えた方がいいと思う」


『そっか…そっちも色々大変なんだね』


「ああ…」


『そういえば、疑問に思ったんだけど…ルタさんってなんで魔王軍なんかに入ったの?』


「ああ、話したことなかったっけ?ウチの両親元々は魔王軍の兵士だったんだ、今は引退して農業やってるけど」


『へぇ、農業…ウチも実家が農園やっててさぁ』


「そうだったんだ、あーそれで私が魔王軍に入った理由なんだけどさ…元々入るつもりはなかったんだけど、高校の頃に父さんが勝手に入隊試験に応募して…で、仕方なく試験受けたらたまたま受かっちゃって…それでいつまでも辞められずにズルズルと今になっても続けて気づいたら幹部にまで登り詰めちゃったりして…」


『そうだったんだ…まぁルタさんすごく強いしねぇ、やっぱ昔から強かったの?』


「うん、物心ついた頃から父さんから剣術を習っててその頃から”お前はすごい剣の才能がある!きっと将来立派な魔王軍兵士になれる!“って、ずっと言われてたぐらいだから…自分ではそんな自覚ないけど…」


『まぁ、自分がどんな才能持ってるかなんて案外分かんないもんだよ…』


「そうだな…」


『…話戻るけど、これから会うのを控えようってことはしばらくデートもできないってことだね…』


「まぁ、うん…そう、だな…こうして連絡を取り合うのも控えた方がいいかもな、どこに誰の耳が向いているかも分からないわけだから…」


『そっか、寂しくなるな…』


「…ルド」


『ん?』


「…なんでもない、そろそろ切るよ」


『ん、分かった…おやすみ、大好きだよルタさん』


「私も、ルド大好き…じゃあ」


通話を切る


「…しばらく会えない、かぁ…来月、私誕生日なのに」



・・・・・



【翌日】



(…今日からしばらくルタさんに会えないのかぁ、はぁ…)



悩まし気な表情をしながらス魔法マホを眺めるルドルフ、今までのデートで一緒に撮った写真やメッセージのやり取りなどを何度も何度も繰り返し見る。


「…あっ、そういえばルタさんもうすぐ誕生日なんじゃないか!なんてこった、これじゃお祝いすらできないかもしれない…困ったな」


と、ルドルフが頭を悩ませていると…


「どうやらお困りのようですわね」

「…ハーミア」

「ムエルタさんのことでお悩みですわね?」

「ど、どうしてそれを?」

「先ほどから全部言葉にされて漏れてますわよ、お気をつけなさいな…」

「あ、そうだったんだ…ゴメン」

「いえいえ、それで?今度は何をそんなに悩んでおいでですの?」

「じ、実は…」


ハーミアに事情を説明するルドルフ


「…なるほど、たしかに私のところへもしばらくの間連絡を控えさせていただきたい旨の連絡がきていましたわね…」

「そうなんだよ、だからどうしようかって悩んでるわけだけど…」

「うーん、これはかなり難題ですわね…やはり我々の手でいち早く魔王を討ってしまえば全て解決なのですが…」

「けど、ラミレスが言ってたけど魔王の力は絶大過ぎて簡単に倒せるもんじゃないって言ってたよ…ここ最近は弱体化が進んでるって話もあるけど、安易とはいかないだろうな…」

「そうですわね、何か良い方法は…」


するとそこへ…


「あっ、ルド!ハーミア!魔王軍よ!すぐ準備して!」

「っ!?」

「この件は一先ず後回しですわね…今はとにかく我々の務めを果たしましょう!」

「ああ!」


魔王軍の元へと急ぐ、そこではイフリート率いる魔王軍の兵隊達が暴れ回っていた。

勿論そこにはムエルタもいる。


「フハハハハハ!さぁ、暴れろ暴れろ野郎ども!人間どもから極上の恐怖エネルギーを搾り取ってやれ!」

「……」


「そこまでだ!魔王軍!」

「フン、来たか勇者パーティー…今日こそはここが貴様らの墓場となるのだ!」

「それはこっちのセリフだ!いくぞ!」

「……」


(…ルタさん)


魔王軍と相対する勇者パーティー


「くらえ!『獄炎ブレス』!!」

「危ない!」


イフリートの炎攻撃を体を張って防ぐルドルフ


「ルド!」

「うおぉぉぉ!!」

「くっ、相変わらず人間のクセに頑丈な奴め…」

「ルドルフさん、大丈夫ですか?」

「ああ、問題ない…」

「フン、おい悪魔騎士!重戦士の相手は任せた!確実に仕留めろ!」

「……」

「どうした?返事は!?」

「…っ!? 申し訳ございません…仰せのままに」


剣を抜いてルドルフと対峙するムエルタ


(ルタさん…)


互いに剣を構えてジリジリと詰め寄る


「…はあぁぁぁぁ!!」

「っ!?」


ムエルタの剣を瞬時に受け止めるルドルフ、そこからムエルタは怒涛の攻めを見せる。


「くっ、ぐぅ…」

「隙ありだ…」


と、ルドルフの防御を掻い潜り一太刀浴びせる


「かはぁっ!」

「終わりだ」


と、華麗なローリングソバットでルドルフを後ろへ蹴り飛ばす


「ルド!」

「ルドルフさん!」

「うぅ、ぐふっ…」

「テメェ悪魔騎士…よくもルドを!」

「しっかり!今治しますからね!」

「ルドルフ殿…」

「ルド、もう許さないわよ…骨の髄まで焼き尽くしてやるんだから!『インフェルノ』!!」


炎の魔法を炸裂させるリーネ、だがそこへイフリートが立ちはだかり大きな口を開けて炎を丸ごと飲み込んでしまった。


「なっ!?」

「んふー、ごちそうさん!中々美味い炎だったぜぇ」

「馬鹿な、リーネの魔法を食っちまった…」

「俺様は炎の悪魔、全ての炎は俺様にとっちゃごちそうなんだよ!」

「…っ」

「ふぃー、食ったら力が湧いてきたぜ!これでも食らえ!『ハイパー獄炎ブレス』!!」


灼熱の炎が勇者パーティーを襲う


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「フハハハハハ!どうだ思い知ったか!?」

「くっ…」

「ラミレス、ここは一旦退いて態勢を立て直しましょ!」

「…仕方ないな、シドウ!」

「心得た!『忍法・煙遁の術』!!」


と、煙玉でモクモクと煙を巻き上げてその隙に退散する勇者パーティー


「くっ!小癪な…まぁいい、逃げたってことは俺様達の勝ちだぜぇ!フハハハハハ!」

「……」



・・・・・



命からがら逃げ出した勇者パーティーの面々、宿に戻り傷の治療をする。


「これでもう大丈夫ですわ」

「ありがとうハーミア…」

「いえ、私はルドルフさんの様子を見てきますわ…」

「ああ、頼む」

「ルドルフ殿にこれを、拙者が調合したシノビ一族秘伝の痛み止めの軟膏でござる…」

「シドウさん、ありがとうございます…」


ルドルフの部屋へ向かうハーミア、ルドルフはベッドの上に横になりながら窓の外をボーっと眺めていた。


「ルドルフさん、お身体の加減はいかがでしょうか?」

「…ハーミアか、うん、もう大丈夫…心配ないよ」

「そうですか、これ…シドウさんが作ってくださった軟膏です」

「ああ」

「…あの、ルドルフさん…本当に大丈夫ですか?」

「えっ?ああ、大丈夫だよ…ハーミアが治療してくれたおかげでもう何とも…」

「身体は治っているかもしれませんけど、どうやら心までは(・・・・)まだまだ治りきっていないみたいですわね…」

「…やっぱなんでもお見通しか」

「当然ですわ、伊達に常日頃から聖職者として悩める子羊達の話を聞いているわけではありませんもの…」

「そうだったな…」

「…きっと、悩む心配はないと思いますわ…あの場においてはああする他に道はなかったと思いますし」

「そうだね…」

「それに、傷の具合から見てもルドルフさんのことを本気で仕留める気はなかったんだと一目で分かりましたしね」

「ホ、ホントに!?」

「ええ、間違いありませんわ…きっと私の治療の腕を信じた上でお斬りになったのでしょう」

「ルタさん…」

「ですから、心配はいりませんわ…」

「ああ、ありがとう…」



【夜】



真夜中になった頃、突然ルドルフのス魔法マホに着信が鳴る


「ん?誰だこんな時間に…はい、もしもし?」


『もしもし?ルドか、私だ…ムエルタだ』


「ル、ルタさん!?どうしたんだよ!?しばらくは連絡は控えるって言ったばっかだったのに…」


『うん、でもやっぱり今日のこともあって気になってつい…大丈夫だったか?』


「ああ、怪我のこと?全然大丈夫だよ、ハーミアにちゃんと治してもらったから…」


『そっか、良かった…それを聞けて安心したよ…』


「あの、ルタさん…」


『ん?』


「その、君の誕生日のことなんだけど…」


『ああ、うん…でもしょうがないよ、今状況が状況だからさ…今回は諦めるしか』


「いや、俺は絶対にお祝いしたい!なんてったって、付き合ってから初めての誕生日なんだよ?大好きな彼女との初めての誕生日、最高の思い出にしたい!」


『ルド…うぅ』


「ル、ルタさん…?泣いてるの?」


『ごめん、ルドの気持ちがあまりに嬉しくて涙出ちゃった…』


「そっか…とにかく、誕生日は何があっても絶対にお祝いするから!」


『ああ、分かった…楽しみにしてる』


「うん、じゃあそろそろ切るよ…おやすみ」


『ああ、おやすみルド…大好き』


「俺も、大好き!」


通話を切る


(…よし、何としてもルタさんの誕生日を最高の思い出にしてみせる!!やるぞぉ!)





To be continued...

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