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ラヴ・ソルジャー ~悪魔に恋しちゃダメですか?~  作者: 紫龍院 飛鳥


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第五話


…前回のあらすじ、交際一ヶ月を迎えたムエルタとルドルフ…そんな中、勇者パーティーのメンバーである聖女のハーミアはルドルフに対して不信感を抱き二人のデートを尾行する。

そしてついにムエルタの正体が悪魔騎士のムエルタだということがバレてしまったのだった。



「さぁ、まずは話を聞かせていただきましょうか?…お二人は、交際をされているのですね?」

「…はい」

「そうです」


ハーミアに詰め寄られて正直に白状してしまう


「しかも、彼女が悪魔であり、私達の宿敵である魔王軍の幹部だと知った上で?」

「…その通りです、間違いありません」

「…まったく嘆かわしい、打倒 魔王軍を掲げた勇者パーティーの一員であるあなたがよりにもよって悪魔なんかと、ましてや魔王軍の幹部の女なんかと付き合うだなんて…恥を知りなさい!」

「…返す言葉もございません」

「なぁ、ルドのことをあまり責めないでやってほしい…私にも責任が」

「あなたは黙っていなさい!今はルドルフさんにお話ししているのです!」

「…ご、ごめんなさい」

「とにかく!これは由々しき事態です!あなた達の交際は認めるわけにはいきません!即刻お別れを!」

「そ、そんな殺生な…」

「頼むハーミア!それだけは…」

「できないとあらば、今日限りを持ってあなたは勇者パーティーを脱退しなさい!そしてムエルタさん、あなたはこの場でこの私が浄化いたします!」

「っ!?」

「そんな…そんなのあんまりだ!」

「馬鹿を言いなさいな…魔族は我々人間の敵、何百年も昔からそう宿命づけらてきました…そんな者達と分かり合えるはずもなし、分かり合いたいとも思えません…」

「そんなの間違ってる!人間だって、魔族だって、真に心から向き合えば心を通わせることだってできるはずだ!俺はそれを証明したい!」

「ルド…」

「…たしかにその志は立派だと思います、ですがあなたは勇者パーティーの一員なのですよ?ご自分の立場を分かっておられるのですか?」

「ああ分かってる!だから俺は…今日限りで勇者パーティーを脱退する!」

「っ!?」

「あなた、正気ですか?」

「勿論本気だ、けど…ルタさんにだけは手を出さないでほしい」

「そ、それでは…」

「代わりと言ってはなんだけど…どうかこの俺の命一つで勘弁してくれないか!?」


そう言ってルドルフは自分の鎧を脱ぎ捨て、ハーミアの足元に短剣を投げる


「ルド!?」

「いいんだルタさん、もし俺が死んだら…俺は魔族に生まれ変わってそしたらまた必ず君に会いに行くよ」

「ルド…嫌、やめて!」

「いいんだ!君と胸を張って付き合えないくらいなら、こんな命…投げ出しても構わない!」

「ルド…ルドぉ!」


ルドルフにすがりついて涙を流すムエルタ


「…分かりました、あなたの覚悟はよく伝わりました」


足元の短剣を拾い上げるハーミア


「ハーミア…ルドを殺してみろ、その瞬間お前の首も飛ぶと思え!」


そう言って剣を抜くムエルタ


「ルタさんやめてくれ!君が手を汚す必要はない!」

「でも!」

「いいから、剣を納めてくれないか?」

「ルド…」

「さぁ、一思いにやってくれ…」

「…本当に、よろしいのですね?」


ハーミアにそう問われて無言で頷くルドルフ


「では、お覚悟!」

「っ!」



”ズブリっ!“



「…っ!」


ハーミアは容赦なくルドルフの心臓に短剣を突き立てた


「ル、ド…」

「う、うぐぅ…」

「あなたの覚悟、しかと受け取りましたよ…ルドルフさん」


するとハーミアは、ルドルフの胸から短剣を引き抜き即座に治癒魔術をかけた


「えっ?」

「どういうこと?」

「どうもこうも、私は聖女ですのよ?こんな傷ぐらい跡形もなく治すのくらい雑作もありませんわ」

「じゃなくて、なんで?俺を殺さないのか?」

「誤解しないでください、今回はあなたのその覚悟に免じて許してあげましょう…ここで起こったことも私の胸にしまっておくとします」

「じ、じゃあ…」

「ですが、あなた達の関係を完全に認めたわけではございませんので…悪しからず」

「あ、ああ…何にせよ助かったよ、ありがとう」

「いえ、さぁ今日のところはもう帰りましょう…」

「あ、うん!それじゃあルタさん、また…」

「う、うん…またな」



・・・・・



その夜…



「くぅ~、やっぱ戦いの後のお酒は最高ねぇ~!この一杯の為に生きてるぅって感じ!」

「まぁその気持ちは分からなくもないな、俺も戦いの後はすごい腹減るからメシがいつもの十倍は美味く感じるぜ!ご飯おかわり!」

「承知した…」

「……」

「ルドルフさん?どうかしたんですか?」

「い、いや!なんでもない!俺もご飯おかわりしようかな?ハハハ…」

「では私がよそってきて差し上げますわ、大盛りでよろしいですか?」

「えっ?ああ、うん…」


夕食の後、ルドルフの部屋を訪ねるハーミア


「ルドルフさん、少しよろしいでしょうか?」

「ん?何?」

「これを、ムエルタさんに渡していただけますか?」


と、取り出したのは一通の手紙だった。


「わ、分かった…明日会う約束してるからその時に渡しておくよ」

「よろしくお願いいたしますわ、ではおやすみなさい…」

「お、おやすみ…」



【翌日】



「あ、そうだ…これ、ハーミアがルタさんに渡してほしいって」

「私にか?ふむ…」


手紙を受け取ってまじまじと観察するムエルタ


「ふむ、どうやら罠の類いは仕込んでいなさそうだな…」

「わ、分かるんだ…」

「と、とりあえず開けてみよう…」


恐る恐る手紙を開封し内容を確認する、そこにはこう綴られていた。



『”拝啓、魔王軍幹部 ムエルタ様…誠に勝手ではございますが、今一度あなたがルドルフさんとお付き合いするに相応しいかどうか私の目で見定めたく存じます…ご都合の良き時に下記に記した番号が私の連絡先となっております故、ご連絡くださいませ… ハーミアより“』



「…で、なんて書いてあったの?」

「うん、かいつまんで説明すると”果たし状“みたいな?」

「は、果たし状って…大丈夫なの?」

「うん、ルドは何も心配しないで大丈夫だから…」

「ルタさん…」


…こうしてムエルタは、ハーミアと二人きりで会うこととなったのだった。



・・・・・



(…いよいよこの日が来てしまったか、言われた通りにちゃんと擬態して私服で来たけど大丈夫だろうか?まさか見定めるというのはただの口実で私を亡き者にしようという作戦か!?だとしたら不味い…今日は鎧も剣も準備してないぞ…)


ムエルタがあれこれ考えていると…


「お待たせしましたわ…」


ハーミアが到着した、ハーミアも杖や武器の類いなどは持っておらず私服姿であった。


「あ、あぁ…来たか」

「まぁ、そう身構えないで下さいませ…見ての通り今日は丸腰ですし、取って食うつもりもございませんので…」

「そ、そうか…」

「では、行きましょうか?」

「へ?ど、どこに?」

「この先に私の行きつけの喫茶店がございますの、そこでお茶でもしながらゆっくりお話いたしましょう」

「あ、あぁ…」


二人して喫茶店へ向かう


「…いらっしゃいませ、ご注文は?」

「私はいつものハーブティーで、あなたは?」

「え、えっと…じゃあ私もそれで」

「ではハーブティーを二つ」

「かしこまりました…」

「ここ、いいお店でしょう…とても落ち着いていて休みの日にはこうして訪れるんですの」

「へ、へぇ~…」

「たまにパーティーのメンバーの皆さんとも一緒にお茶しにくるんですのよ、ルドルフさんもここのパンケーキがハチミツたっぷりで美味しいと絶賛していましたわ…」

「そ、そうか…まぁルドはああ見えて甘い物大好きだからな」

「あら?やはりご存知でしたのね、ルドルフさんが大の甘党だって」

「うん、それにルドっていっぱい食べるから太ったりしないか心配だったけど『いつも鍛えてるから別に問題ない』だって、フフフ…」

「まぁ、ルドルフさんらしいですわね…フフフ」


…それから二人はお茶しながら小一時間ほどおしゃべりを楽しんだ


「ところで、お二人はどちらから告白してお付き合いを決めたんですの?」

「えっ?それは、ルドの方から…なんか、私を見た瞬間ビビっときたんだって」

「えっ!?」

「んっ?」

「いや、まさかそんな…」

「ハーミア?どうかしたか?」

「い、いえ…あの、ムエルタさん…あなたは『運命の人』というものを信じますか?」

「へ?何急に?あんま考えたことないな…」

「はい、運命の人というのはですね…その人が生まれたその日から生涯を共に添い遂げると運命を定められた男女のことを指します…ですが、一生でその運命の相手と自然に出会う確率は0.01%にも満たないこともあり生涯出会うことがないままその生涯を終えることがほとんどなのです…もしも出会ったのであれば、目と目を合わせた瞬間分かるのだとか…」

「そうか、てことはまさか…」

「はい、間違いありません…お二人は正真正銘『運命の人』同士だということです」

「たしかに、そういえばルド言ってたな…私と目を合わせた瞬間に全身に雷に打たれたような衝撃が走ったって…でも、私は特に何も感じなかったような」

「一説によれば、男女によって感じ方が其々違うようですね…主に男性側の方が強く感じやすいという話もありますので…」

「な、なるほど…」

「私も聖職者を生業としてそこそこ経ちますが、こうして運命の人に出会えた方を見るのは初めてですわ…ましてや、人間と魔族との間になんて」

「…人の運命というものはよく分からないものだな」

「私もそう思います、しかし…お二人が運命の人同士なのであれば、これは聖女として祝福せざるを得ませんね…」

「ハーミア、ホントにいいのか?」

「ええ、生涯のうちに運命の人に出会えるなんてことは一生に一度あるかないかのとんでもない幸運なことなんですのよ!それをおいそれと手放してしまっては神罰が下るとも言われていますのよ?」

「お、おぉ…急に恐ろしいな」

「ですからその幸運…どうか大切になさってください、お二人の未来にどうか幸多からんことを…アーメン」


と、十字を切るポーズをして祈りを捧げるハーミア


「ハーミア、ありがとう…」

「今は簡略的にですが、お二人がご結婚される際には私の方から是非祝福を…」

「あ、ありがとう…その時が来たら是非お願いしたいな」



その日はそれで解散し、各々帰路についた。




【魔王城】



「ンフフ…運命、かぁ」

「なんだムエルタ、随分機嫌良さそうだな…なんかいいことでもあったのか?」

「あ、イフリート様!そうだ、イフリート様は運命って信じますか?」

「は?どうかしたかお前?なんか悩みがあるんならいつでも相談しろよ?それと、ちゃんと信頼できる友達とかもいた方が…」

「え?」

「いや、急におかしな宗教にでものめり込んでんじゃねぇかと思って…」

「ち、違います!知らないんですか?運命の人はちゃんといるんですよ!」

「は、はぁ?」




【勇者パーティーの宿】



「だはぁ~!今日の合コンも散々だったぁ!最悪だよ!もー!」

「まぁまぁ、きっとリーネさんにも運命の人が現れるかもしれませんわ…」

「…ホントぉ?いっつもそれ言ってくれるけどさぁ、一向に現れた試しないんだけどぉ?ホントにそんな人いんの?」

「ええ、必ずいますわ…ねぇルドルフさん?」

「えっ?俺?ああ、まぁ…」

「あーもうムシャクシャする!こんな日は飲まないとやってらんないわ!ルド!アンタも一緒に付き合いなさい!」

「えー、やだよ…リーネさんのヤケ酒に付き合うと結局朝までかかるんだもん…」

「うっさい馬鹿!アンタばっか幸せなのがムカつくのよ!」

「そんなご無体な…」

「グダグダ言ってないで付き合いなさい!アタシの酒が飲めないっての!?」

「わ、分かったよ…ふぅ、やれやれ」




To be continued...

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