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ラヴ・ソルジャー ~悪魔に恋しちゃダメですか?~  作者: 紫龍院 飛鳥


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第十三話


時は少し遡り…ムエルタの誕生日の翌日、怪我から回復して漸く動けるようになったルドルフ


「もう身体はいいのかルド?」

「ああ、もう問題ないよ…心配してくれてありがとう」

「うん…」

「あ、その指輪…早速つけてくれてるんだ」

「うん、どうかな…?」

「うん!すっごく似合ってる!」

「あ、ありがと…へへへ、ところでさ…ルドの誕生日っていつなんだ?」

「俺?俺の誕生日は『12月25日』だよ」

「へぇ、てことは…その日ってたしか人間界の神様が生まれた日とか言う日だったな?」

「ああ、うんそう…」


12月25日、その日は人間界を創造したとされる全知全能の神『クリストゼファー神』が生誕した日とされており、その日はクリストゼファー神の生誕を祝う為の盛大な祭りを前夜祭から当日にかけて世界各地で行うという毎年恒例の催しがある。

また、クリストゼファー神は毎年生誕祭の前夜から当日にかけて空飛ぶ魔法の馬車に乗って世界中の良い子達にプレゼントを配って回っていたという伝説が残されている。

現在では、それぞれの家庭で子供が生誕祭の前夜に寝静まっているところへ親がコッソリとプレゼントを置いておくという文化が根付いている。

それ以外でも、大切な友人や恋人同士などでプレゼントを交換しあったりもする。


「そっか、神様とおんなじ日に生まれるなんてなんかロマンチックだな!」

「そうかな、みんなそういうけど俺としては毎年誕生日のプレゼントと生誕祭のプレゼントが一緒くたにされて結局俺だけ一つしかプレゼントもらえなかったのが子供の頃は悲しかったなぁ…それに、ウチの地元は田舎だったからあんまり盛大に生誕祭のお祝いとかパーティーとかもしたことなかったなぁ」

「あ、アハハ…そういうこともあるんだ…勇者パーティーのみんなは?仲間内でパーティーとかはしないの?」

「うん、ウチはいつも各々で生誕祭の日を過ごしてることがほとんどかな?」

「そっか…だったら今年は私がルドを目一杯喜ばせてやる!」

「ルタさんが?」

「ああ、待ってろ!必ず人生最高の誕生日&生誕祭にしてみせるっ!!」

「……」


と、ルドルフの誕生日と生誕祭に情熱を燃やすムエルタ



・・・・・



時は現在12月…ルドルフの誕生日を目前に控え、真剣な眼差しでス魔法マホでプレゼントが何がいいか検索するムエルタ


「むぅ…」

「な、なんだかここ最近のムエルタ様…すごい気迫だな」

「ああ、なんかいつも以上にピリピリしてて近寄りがたいな…」

「むむむ…」

「ムエルタちゃん、どうしたのすっごい怖い顔して?アナタの部下の人達がみんな怖がってるわよ」

「あ、ハートリアさん…」

「ま、アナタのことだからきっと愛しの彼氏君のことで悩んでるんでしょうけど…」

「っ!?」

「図星ね…」

「じ、実は…もうすぐルドの誕生日なんですけど、何をあげたらいいかまだ悩んでて…」

「フーン?」

「ルド、あんまり誕生日にイイ思い出が今までなかったみたいだから…私がイイ思い出を作ってあげたいんです」

「ん~健気ねぇ、私も何か力になれることがあればなんでも協力するわ」

「ハートリアさん、はい!ありがとうございます!」


ということで、二人でルドルフのプレゼントを考えることとなった。



【魔王軍女子寮 ムエルタの部屋】



「そうね、彼氏君って何が好きとかってある?」

「えっと、私と同じで甘いものが好きです」

「そう、なら丁度いいわね!誕生日ケーキを手作りで作ってみたらいいんじゃない?」

「いいですね!きっと喜ぶと思います!後は、できれば形の残るプレゼントとかも渡したいですね…」

「形の残るもの、うーん…ここは下手に市販のものを買って渡すよりも手作りのプレゼントとかの方が喜ばれるんじゃない?」

「て、手作り、ですか?」

「そう、例えば…編み物とかどう?もう寒い時期にもなるし手編みのマフラーとか編んでプレゼントしたらきっと喜んでくれるんじゃない?」

「編み物ですか?難しそう…」

「大丈夫、ウチの軍に”編み物の達人”が一人いるから!」

「編み物の達人?」



【魔王軍四天王 アラクネの控室】



「…と、いうわけなんですアラクネ様」

「なるほど、それでこの私の力を借りに来たってわけね?」

「はい、どうかお力添えをいただけませんか?」

「ええもちろん、可愛い副官の頼みだもの!喜んで協力するわ!」

「あ、ありがとうございます!」

「では、早速…私のとっておきの御業を篤と見なさい!はぁぁぁぁ!!」


と、アラクネはとんでもないスピードであっという間にセーターを一着完成させてしまった。


「おぉ…」

「流石はアラクネ様、なんて早業…」

「フフン、糸の扱いだったら誰にも負けない自信があるわ!じゃあまずは手始めにアナタの実力がどんなものか見せてもらいましょうか?」

「え?あ、はい…できるかな?ええいままよ!」


果敢にチャレンジするムエルタであったが、当然ながら上手く編むことができずに毛糸がこんがらがってしまった。


「あうぅ…」

「…これは相当酷いわね、でもこれぐらいの方が逆に教え甲斐がありそうね…遠慮せずにビシバシいくわよ!」

「お、お手柔らかにお願いします…」


こうして、アラクネによるムエルタのスパルタ編み物特訓が始まった…

何度も何度も失敗を繰り返し挫けそうになるほどアラクネにビシバシと指導されるムエルタ、しかし彼女は決して諦めなかった…全ては、愛するルドルフの喜ぶ顔が見たいが為…ムエルタは魔王軍の仕事の合間を縫って懸命に編み物と向き合っていた。

それと並行してルドルフへの誕生日ケーキの制作にも同時に取り掛かっていた

いくつも作ってみては味に納得いくまで試行錯誤を繰り返していき、ひたすらに最高の誕生日ケーキを追い求めた。



…一方その頃、当のルドルフ本人はというと



「………」

「あら?ルドルフさん、また冴えないお顔をされて如何されたんですの?」

「ああ、ハーミア…うーん、実はさ…今月に入ってからルタさんとまともに会えてないからちょっと気持ち的に上がらないというか」

「まぁ、そうでしたの…」

「うん、まぁ忙しいんならしょうがないよな…俺が我儘言って困らせたくないし」

「心配いりませんわ、それにほら…もうすぐあの日(・・・)ではありませんか?」

「あの日?…ああ、そうか、もうそんな時期だったか…すっかり忘れてた」

「ええ、そういえばその日はたしかルドルフさんの…」

「ああうん、そうだよ…でもあんまり特別イイ思い出はないな」

「ルドルフさん…でしたら、今年は是非ともムエルタさんと良い思い出が作れるといいですわね」

「そうだね…はぁ」



・・・・・



【12月11日 ルドルフの誕生日 二週間前】



「んっ!このケーキ美味しいじゃない!頑張ったわねムエルタちゃん!」

「はい、ありがとうございます…」

「…どうしたの?元気ないわね?」

「…実は、まだ編み物がイマイチ上手くいかなくて…最近は少し睡眠時間も削って練習してるんですけど」

「ちょっと、大丈夫なの?よく見たら顔色も悪いし…」

「大丈夫です、このくらい…なんとも」


するとその時、気力の限界を迎えて倒れ込んでしまったムエルタ


「ちょ、ムエルタちゃん!?大丈夫!?しっかりして!」


…気が付くとムエルタは自分のベッドに寝かせられていた。


「う、う~ん…」

「気が付いた?まったくもう、無茶しちゃって…」

「ハートリアさん?あれ、私…」

「覚えてないの?アナタ突然意識を失ったかのように倒れて寝ちゃったのよ…もうかなり疲労が溜まってたみたいね」

「…すみません」

「とにかく、一応医者として言わしてもらうけどしばらくは絶対に安静にしておくこと!焦る気持ちは分かるけど、根を詰めすぎたって身体壊すだけよ?もっと自分のことも大切になさい!ドクターストップよ!」

「はい…」

「ま、そういうことだからちゃんと大人しく寝るのよ?後で疲労回復に効くお薬処方して持ってきてあげるから」

「すみません、何から何まで…」

「いいのよ、私はアナタ達の仲を精一杯応援するって決めてるから!これぐらいお易い御用よ!」

「ハートリアさん…」

「さ、もう寝なさい…まだ体力も完全に回復しきってないだろうから」

「はい…」



…それから、しっかりと休息を取り体力が回復した後再び編み物に精を出すムエルタ

毎日コツコツと毛糸を編み続け、何度も失敗したムエルタであったが…ルドルフの喜ぶ顔が見たい、ルドルフに最高の誕生日の思い出を作ってあげたい…その強い意志だけを胸に一心不乱に毛糸を編み続けた。


そして、とうとう迎えたクリストゼファー神生誕祭の前夜祭の日…ギリギリであったが漸く一本のマフラーが完成したのである。

形はやや不格好となってしまったが、ムエルタの愛と真心が詰まった世界に二つとない一品となった。


「で、できたぁ~!はぁ…」


夜になり、前夜祭もスタートとなり街は沢山の家族連れやカップルなどで溢れかえる

一方、ルドルフ達は今日この日高級レストランにて豪華なディナーを堪能した…。


「…美味しかった、こんなお洒落な料理初めて食べたよ!」

「そ、そうだな…な、なぁルド?」

「ん?」

「こ、この後まだ一緒にいてもいいか?その、今夜はまだ一緒に過ごしたいっていうか…」

「…うん、いいよ!俺も、ルタさんと一緒に過ごしたい」

「そ、そっか…あの、実は、さ…この近くの宿の部屋を取ってあるんだ…今日は、朝までそこで二人で過ごしたいな、なんて…」

「っ!?」

「ご、ごめん!嫌だったら全然いいんだ!」

「嫌なもんか!こんなおめでたい日に大好きな人とずっと一緒にいられるなんて…俺はなんて幸せ者なんだ」

「ルド…じゃあ、早速行こうか?」

「あ、ああ…」


二人してホテルへ向かう


「あ、もう0時回ってたんだな…」

「ホントだ、じゃあ早速乾杯しようか…」

「あ、でも俺もルタさんもあんまりお酒強くないし…」

「大丈夫、こんなこともあろうかとノンアルコールのワイン用意したきたから!」


と、『次元収納魔法』でしまっておいたワインを取り出す


「へぇ、そんな魔法も使えるんだ…便利だな」

「まぁな、じゃあ乾杯しよう!」

「うん」


互いのグラスにワインを注ぐ


「それじゃあ、ルド…お誕生日おめでとう!」

「ありがとう、そして全知全能の神 クリストゼファー神の生誕祭に…乾杯っ!」


二人でグラスを突き交わす


「実は今日、ちゃんとプレゼントも用意してきたんだ…」

「え?」

「まずはこれ、誕生日ケーキ!私が作ったんだ!」


と、次元収納からケーキを取り出す


「うわぁ、すごい!これを、ルタさんが?」

「うん、ケーキ作り初めてだったから何度も練習してやっと納得のいくのができたんだ…」

「お、俺の為に…なんか、食べるのが勿体ないな」

「フフッ、それとこれも…」


と、赤い包みの袋を取り出す


「こっちは生誕祭のプレゼント」

「おぉっ、開けてもいい?」

「うん、いいぞ」


袋を開ける、そこに入っていたのは赤い毛糸で編みこまれたマフラーだった。

マフラーの先にはルドルフのイニシャルの『R』の文字もあった


「これ、まさか手編み?」

「うん、ごめんなそんな不格好なので…編み物も初めてやったから」

「…っ」


と、ルドルフはマフラーを大事そうに胸に抱えて嗚咽を漏らして号泣しだした。


「ル、ルド…?」

「ルタさんが、俺の為に初めての編み物も、ケーキ作りも、一生懸命頑張ってくれてたなんて…俺は、すごく、すごく嬉しいっ!!」

「ルド…」

「ありがとうルタさん、今日が間違いなく俺にとって人生最高の誕生日になったよ…」

「…うん、約束したからな…必ず人生最高の誕生日にしてやるって!」

「ルタさん…うぅ」

「ほら、いつまで泣いてるんだよ!ケーキ食べよ」

「ずすっ、うんっ!」


…こうして、二人仲良くムエルタの作ったケーキを美味しく食べたのだった。


「…ルタさん、今日はホンっトにありがとう!」

「ううん、こちらこそ…」

「そうだ、俺もルタさんにプレゼントがあるんだ…」

「えっ?」

「生誕祭のプレゼント、君に捧げるよ…」


と、取り出したのは上質そうな革製の手袋だった。


「わぁ…」

「ま、まぁルタさんみたいに手作りってわけじゃないけど…ルタさんに似合いそうなの一生懸命に探したんだ…どうかな?」

「うん、すごく気に入った!大事にするよ!」

「ありがとう、ルタさん…愛してるよ!」

「私も、愛してるぞ…ルド」


と、二人は抱き合いそっとキスを交わした。


「んっ、ルド…私、もう我慢できない」

「えっ?」

「私、ルドと…シたい」

「い、いいの?」

「いいよ…」

「…っ!ルタさん!」


と、もう一度ムエルタを強く抱きしめてそのままベッドへ押し倒す


「きゃっ!」

「ホ、ホントに、いいんだよね?」

「うん、いいよ…初めてで緊張するけど、召し上がれ♡」

「…うんっ!では、お言葉に甘えて!」



…斯くして、二人はその夜それはそれは熱~い夜を過ごしたのであった。






To be continued...

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