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ラヴ・ソルジャー ~悪魔に恋しちゃダメですか?~  作者: 紫龍院 飛鳥


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第十二話


…季節は秋、行楽シーズン真っ盛りの今日この頃…勇者パーティーの面々は山へキャンプにきていた。


「すー、はー、あぁ空気が澄んでてうっめー!」

「たまにはこういうのもいいもんねぇ…ここ最近は魔王軍も派手に暴れてないみたいだし、絶好のキャンプ日和よねー」


山の空気を胸いっぱいに吸い込むラミレス達


「二人とも、テントの設置終わったよ」

「おう、ありがとうルド!助かるわぁ」

「そろそろバーベキュー始めるから戻ってこいって」

「ああ、今行く」


五人で仲良くバーベキュー…と、思っていたが


「うーむ、困った…」

「シドウさん?どうかされたんですの?」

「うむ、拙者としたことが肝心な炭を持ってくるのを忘れていたでござるよ…」

「まぁ、それは大変…」

「くっ、何たる失態…一生の不覚!」

「まぁまぁ、そんなに落ち込まないでくださいな…」

「なんだ?どうかしたのか?」

「実は、炭を持ってくるのをうっかり忘れてしまって…」

「えー、それじゃバーベキューは?」

「すまぬ、拙者がもっとちゃんと確認さえしていれば…」

「まぁまぁ、うっかり忘れたんならしょうがないって…そうだ、何だったら俺がその辺で木かなんか拾ってきてやるよ!」

「かたじけない、ルドルフ殿…」

「いいっていいって、じゃあちょっと行ってくるから!」


と、薪を拾いに林の中へ入っていくルドルフ


「んーと、たしか薪とかで使う木ってなるべく湿ってないのがいいって言ってたけな?あれ?でもあんまり乾き過ぎてるやつだとあんま良くないんだっけ?どっちだっけ?」


と、一人呟きながら薪を探して歩いていると…


「ん?ルタさんからメッセージだ、どれどれ?」


『“やぁルド!実は今日、魔王軍の女性構成員達数人と人間界に“キャンプ女子会”に来てるんだ~!やっぱ人間界の山の景色は素晴らしいな!ルドにもお裾分け!”』


と、メッセージと一緒に山の景色の写真も添付されていた。


「へぇ、ルタさん達もキャンプかぁ…しかも女子会か、楽しそうでいいなぁ」


と、続けてもう一枚写真が送られてくる

そこに写っていたのはジャガイモを握りしめて笑顔で自撮りしているムエルタと、その奥で真剣な顔で玉ねぎを切っているハートリアの姿だった。



『“今日はこれからみんなでカレーを作って食べるぞ!”』



「へぇ、カレーかぁ…キャンプでカレーもいいなぁ…っと、早いとこ薪探さないと…みんな待ってるし」




【魔王軍 キャンプ女子会】



「うへ~ん、玉ねぎが目に沁みる~」

「大丈夫ですかハートリア様?」

「何のこれしき、玉ねぎごときに屈するなんて魔王軍幹部の名折れよ!屈してなるもんですか!」

「た、玉ねぎ切るだけなのに幹部のメンツとか関係あります?」


するとそこへ…


「ハートリア様~、ムエルタ様~大変ですー!炭がもうなくなっちゃいました!」

「何ですって?炭だったら結構いっぱい持ってきたはずでしょ?」

「それが、中々火がつかなくて…結局持ってきてた分全部使い切ってしまって…」

「あらら、もうしょうがない娘達ねぇ…今の若い子は火もまともに着けられないのかしら?」

「す、すみません…」

「んー、でも火がなくっちゃお料理できないしねぇ…今日いるメンバーで火属性の魔法使える娘もいないし…」

「じゃあ、今から私が山に入って薪に使えそうな木拾って来ますよ」

「いいのムエルタちゃん?なんか悪いわねぇ」

「いえいえ、じゃあちょっと行ってきます!」

「いってらっしゃーい!気をつけてねー!」


と、薪を探しに山へ入るムエルタ



・・・・・



「ん、結構イイ木がいっぱいあるな…これだけあれば十分かなっと」


薪に使えそうな木を必要な分確保するルドルフ、しかし来た道が分からずどこがどこなのか分からなくなってしまっていた。


「あれ?この道であってたっけな?うーん、マズイな迷ったかも?」


ポケットからス魔法マホを取り出してみるも圏外で繋がらなかった。


「うーわ、さっきまでは使えたのに…結構山奥まで来ちゃったってことか?大ピンチだな…」


するとその時だった。


「ん?そこにいるのはもしかして…ルド?」

「えっ?その声、まさか!?ルタさん!?」

「奇遇だなこんなところで会うなんて!何してんだ?」

「実は、かくかくしかじかで…」


訳を説明するルドルフ


「そっか、もうそそっかしいなぁルドは…」

「面目ない…」

「仕方ない、私がラミレス達のところまで連れていってやるよ」

「い、いいの?てか、道分かるの?」

「いや、そうじゃなくて…感知魔法を使えば誰がどこにいるのか大体知れるからそれを辿っていけばいい」

「へぇ、魔法って便利だな…」

「…といっても、私の感知魔法じゃ半径1㎞圏内までしか感知できないからあんまり使い勝手が良いとは言えないけど…」

「いや、それだけでも十分有難いって…助かるよ」

「う、うん…じゃあ行こうか?」

「ああ」


ムエルタの後へついて山の中を進む


「…うーん、この先からそれらしい気配がするな」

「えっ?ホント?」

「うん、段々強くなってきた…もうかなり近いはず」


すると、段々と辺りの景色も見覚えのあるらしいところへとやって来た。


「あ、ここら辺なんとなく見覚えが…」

「もう近いわね…」


そしてやっとの思いでラミレス達の元へ戻ることができた。


「あ、いたいた!おーい!」

「ん?おぉルド!遅かったな!待ってたぜ!」

「あれぇ?ルタちゃんも一緒じゃない!なんで?」

「実は、森で迷ってたところを偶然出会って助けてもらったんだ…」

「そうでしたか、どうもありがとうございますルタさん…」

「いえいえ、そんな…じゃあ私はこれで!友達も待ってるんで…」

「えー、折角なんだしもうちょっとここでゆっくりしていけばいいのにー」

「いや、そういうわけにも…」

「そうだよリーネさん、あんまり無理なこと言っちゃルタさんだって困っちゃうって…」

「ちぇー、折角だからルタちゃんと一緒に飲みたいって思ってたのに…」

「そ、それはまたの機会に…そろそろ行かないと友達に心配かけるのもあれなんで、じゃあまた!」


その場を後にするムエルタ


「行っちゃった…まぁいいわ、じゃあルドも戻ってきたところだし早速バーベキュー始めちゃいましょうか!」

「イエーイ!待ってました!」

「では早速準備を致そう、リーネ殿…火をいただけますか?」

「オッケー任せて!『クリムゾンフレア』!!」


と、バカデカい炎の塊をぶっ放すリーネ

薪は一瞬にして灰と化してしまった。


「あっ、いっけない!てへっ!」

「てへっで済むか馬鹿野郎!何でいつもみたいに魔族ぶっ倒すみたいな勢いで全力でぶっ放すかなぁ!?」

「ごめぇん、いつもの癖でつい…」

「ごめんで済むかよ、ったく…もういい俺がやる、『ライトファイヤー』」


ラミレスが魔法で着火し、今度はしっかり成功した。


「よし、着いた着いた!」

「流石はラミレス殿、では改めて焼いていきましょうぞ」

「おう!」



・・・・・



【魔王軍サイド】



「遅くなりましたぁ」

「あらおかえり、大分遅かったのね…」

「実は、その…」


と、理由を説明するムエルタ


「へぇ、勇者パーティーもこの山でキャンプをねぇ…」

「はい、そうなんです…」

「それはいい事聞いたわね、今なら奴らはキャンプに浮かれて油断しきってるはず…そこで奴らの首を獲れば四天王昇格だって夢じゃないわね…」

「ちょ、ハートリアさんそれはちょっと…」

「大丈夫、アナタの彼氏君だけは少し生かしておいてあげるから♡それじゃさくっと行ってくるわね~!」


と、勇者パーティーのところへ飛んでいくハートリア


「あっ、ちょっと!どうしよう、早くルドに知らせないと…」


慌ててス魔法マホを取り出してルドルフにかけるも繋がらなかった…


「もうっ、なんでこんな時に限って出ないんだよ!こうなったら…」


急いでルドルフの元へと走るムエルタ


「お二人とも~、もうすぐカレー出来上がりますよ…って、あれ?ムエルタ様?ハートリア様?どこ行ったんだろ?」




【勇者パーティーサイド】



「おっ、焼けた焼けた!いっただきまーす!…ん~っ!ジューシーで美味いっ!!」

「あぁ~!大自然の中で飲むお酒も格別なものねぇ~!」


バーベキューをがっつり堪能していた


「ほいハーミア、ポテト焼けたよ」

「ありがとうございます、いただきます」

「ハーミア野菜しか食ってないけどいいの?あ、そっか…ハーミアは一応神職だから肉は食べちゃダメだっけ?」

「はい、でもお気遣いなく…焼きポテトも中々美味しいですのよ?」

「ふぅん、どれ?俺も一つ…ん、あっつ!」

「あらあら、フフフ…」


勇者パーティーがバーベキューを楽しんでいるその時だった。


「オーッホッホッホッホ!」

「なっ!?誰だ!?」

「あやつは、四天王補佐のハートリアにござる!」

「ご機嫌麗しゅう勇者パーティーの皆さん!ここで会ったが運の尽きよ!くらいなさい!『メロウアロー』!!」


と、魔法の矢を飛ばす


「くっ!」


すると、ルドルフが咄嗟に前に出てみんなを守る


「ルド!」

「ルドルフ殿!」

「ルドルフさん!」

「ふぅ、俺なら大丈夫!これくらい屁でもない!」

「むぅ、相変わらず頑丈なのね…」

「さぁ、アタシ達も反撃よ!ラミレス!」

「ああ!風よ斬り裂け!『ウインドスラッシュ』!!」

「紅き業火で焼き尽くせ!『クリムゾンフレア』!!」


魔法を放って反撃する


「フフンっ、当たらない当たらない♪」


飛び回って全て避けるハートリア


「チィッ、ちょこまかと…」

「ここは私が!聖なる光よ、我らの道筋を導き給え!『ホーリーフラッシュ』!!」


眩い光を放つハーミア


「ま、眩しいっ!」

「今だ!」

「ルドルフ殿!」

「それきた!」


ルドルフがシドウを持ち上げて空高く投げ飛ばし、飛ばされたシドウは持っていた縄でハートリアを一瞬にして縛り上げる。


「きゃっ!?」

「もう観念するでござるよ…」

「くっ、参ったわ…降参よ」

「やれやれ、手間とらせやがって…」


と、その時だった…


「フッ、なんてね!」


すると突如、ハートリアの足元に魔方陣が展開された


「っ!?なんだこれ!?」

「はっ!?みんな離れて!この魔方陣、『自爆魔法』の術式が組み込まれてる!」

「な、何だって!?」


リーネにそう言われて全員ハートリアの近くから慌てて逃げる


「フフッ、じゃあね!」


と、次の瞬間…



“チカッ!”



魔方陣が眩い光を放ち次の瞬間ハートリアは一瞬にして消えていった。


「…?、どうなってんだ?爆発しなかったぞ?」

「でも、ハートリアの奴いないぞ?」

「やられた、多分だけど自爆魔法に見せかけた緊急離脱用の転移魔法陣ね…アタシとしたことが、魔方陣の術式を見誤るなんて…くぅ~悔しい~!」

「あんな高度な術式を組むことができるなんて、流石は魔王軍とでも言いましょうか?」

「まぁ、何にせよ…みんな無事でよかったじゃないの、おかげでキャンプ再開できるしな!」

「まったく、相変わらず吞気だなラミレスは…」


斯くして、力を合わせて難を乗り切った勇者パーティーなのであった。



(…よかった、一先ずみんな大丈夫みたい…さてと、私も早く戻るとしようか)



・・・・・



「うぅ、エライ目にあったわ…迂闊な行動なんてするんじゃなかったわ…っていうか、ここどこよ?」


緊急用転移魔法でどこぞの山奥へ飛ばされてしまったハートリア


「うぅ、ス魔法マホも繋がらないし周り誰もいないし、お腹空いてもう飛べないし…もう帰りたいよぉ、うえぇぇぇん!!」


…一方その頃、ムエルタ達は


「えぇっ!?ハートリア様がまだ戻ってきてないだって!?」

「はい、私達も待ってるんですけど全然戻ってこなくて…」

「も~うあの人は、とにかく探すぞ!」

「は、はい!」


斯くして、ハートリアはその後無事に発見され、みんなで作ったカレーを美味しく食べたのであった。





To be continued...


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