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ラヴ・ソルジャー ~悪魔に恋しちゃダメですか?~  作者: 紫龍院 飛鳥


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第十話


…前回のあらすじ、段々と激化していく魔王軍と勇者パーティーとの戦い…そんな中、もうすぐムエルタは誕生日を迎えようとしていたのだった。

付き合って初めて祝う大好きな彼女の誕生日を良い思い出にしようとルドルフは誓ったのだった。


(…ルタさんへのプレゼント、どうしようか?もう後二週間もない…とにかく時間がない、早く決めないと)


深く考え込むルドルフ、するとそこへ…


「おーい、ルドぉ」

「ん?なんだラミレスか、どうした?」

「なんだとはご挨拶だな…こないだ発注した装備が出来上がったから取りに行くぞ!」

「あ、うん!分かったよ」


装備を受け取りに鍛冶屋へ向かうルドルフとラミレス


「ちわーっす、おやっさんいる?」

「おぉ、勇者様か!武器なら丁度できてるぜ!持っていきな!」

「ああ、いつもありがとう!」

「ありがとう親父さん…ん?これは…」


と、店内に貼ってあったポスターに目をつけるルドルフ…そこには『オーダーメイドアクセサリー、承ります』と書いてあった。


「親父さん、これって…」

「ああ、これか…先月からウチの息子が始めたんだ」

「息子って、たしか余所で職人修行に出ていたって言ってた…」

「そうそう、ついこないだ帰ってきてよ…ウチの空いてるスペース間借りして始めたんだわ」

「へぇ、アクセサリー作りってことは『彫金師』か…てっきりおやっさんと同じく鍛冶職人になるのかと…」

「ああ違う違う、もう一人息子がいてな…アクセサリー作りすんのはそっちの下の息子だよ」

「へぇ、どんなアクセサリーでも作ってくれんの?」

「おうよ、俺っちは彫金のことはよく分からんが…大抵のモンは作れると思うぜ」

「へぇ…」

「いやぁ、実は俺っちも先週カミさんと結婚記念日でよぉ…息子に頼んで指輪を作って貰ったんさ…でもまぁ、こういうことはいくつになっても照れ臭いモンだねぇ…」

「へぇ、お熱いなぁ…」

「指輪かぁ…っ!? そうだ!指輪!」

「ふぇあっ!?ど、どうしたルド?急に大きい声出して…びっくりした」

「親父さん!今日はその息子さんいる!?」

「あ、ああ…アイツだったら今買い出し行っててぼちぼち帰ってくるから…っと、噂をすれば」


「今帰ったぜ親父」

「あ、あのっ!」


帰ってくるや否や息子に詰め寄るルドルフ


「は、はい?あ、お客さん…?い、いらっしゃいませ…」

「あの、アナタがオーダーメイドのアクセサリーを作っているっていう…」

「は、はい…彫金師の『エイク』と申します」

「是非、作ってもらいたいものがあるんです!」

「わ、分かりました…では一度詳しくお話を」

「じゃあ、俺は先に帰るから…」

「ああ、済まない…」



ということで、ルドルフはエイクと作るアクセサリーを打ち合わせする。



「…ふむふむ、ではこちらの内容でお作り致します…二週間ほどお時間をいただきますがよろしいでしょうか?」

「うーん、まぁギリギリ間に合いそうか…それでお願いします」

「お任せください!彼女さん、喜んでくれるといいですね」

「はいっ!」



・・・・・



【魔王城】



「…ふぅ」

「魔王様、お身体の具合はいかがでございましょうか?」

「ふむ、すこぶる快調とは言い難いな…これも恐怖エネルギーが減った原因か?」

「心中お察しいたします…」


すると、魔王は玉座からすくっと立ち上がる


「魔王様、どちらへ?」

「ああ、今日はこの後大事な予定が入っているのを忘れていた…少し出てくる」

「はっ、お気をつけていってらっしゃいませ…」

「うむ」


(…魔王様、月に幾度かああしてお一人でどこかへ出かけるとおっしゃって出て行かれるのですが…一体どちらへ行かれているのでしょう?)



【ムエルタ 控え室】



(…今日は魔王様不在で襲撃お休みかぁ、最近襲撃の時でしかルドに会えてないのに…ルド、会いたい…会ってルド成分うんと補給したい…)


机に突っ伏しながらひたすらルドルフのことばかり考えるムエルタ


「はぁ…ルドぉ、好きぃ」


するとそこへ…


「ムエルタちゃ~ん、いる?」

「ん?ハートリアさん?はい、どうぞ」

「お邪魔しま~す」

「どうしたんですか?」

「んーちょっとね、恋の波動を感じたから…かしら?」

「っ!?」

「大方、例の愛しの彼氏に満足に会えなくて腐ってるんじゃないかと思って様子見に来たのよ!軍の中でアナタの事情知ってるのアタシだけだしね」

「ハートリアさん…」

「…ホント、まいっちゃうわよねぇここ最近魔王ちゃんの恐怖エネルギーが不足してるとかでみんな大忙しで、それでみんなして勇者パーティーにボコボコにされるからアタシ達医療部隊も大忙しよ…今日は落ち着いてるからいいけど」

「はぁ…」

「あ、そうだ!話変わるけど、そう言えばアナタもうすぐ誕生日だって言ってなかった?」

「えっ?覚えてたんですか?」

「ええもちろん、でも今のこの状況じゃ彼氏君とはまだまだ会えそうもないわね…」

「そうなんですよね…ルドはどうしてもお祝いしたいとは言ってくれていますけどね」

「あら、献身的でいい彼氏じゃない…」

「はい…」

「あーあ、アタシも彼氏ほしい~…ここ何年もご無沙汰だから羨ましいわ」

「いや、と言っても私達だってまだキスもしてないですし…」

「え、そうなの?じゃあ折角なんだしもし誕生日の日会えたらチューしちゃいなさいよ」

「えぇっ!?そんな!」

「ほらぁ、女の方からだってガツガツ行ってもいいのよ!思い切っていっちゃいなさいよ!」

「え、えっと…」



・・・・・



【二週間後】



「はい、ではご注文の品です」

「ありがとうございます」


指輪を受け取るルドルフ、大事そうにポケットにしまう


「では、頑張ってくださいね!」

「はい!」


店を出る、するとス魔法マホに着信が来る


「もしもし?」


『あ、ルド!魔王軍だ!すぐ来てくれ!』


「何っ!?分かった!すぐ行く!」


通話を切る


「よりにもよってこんな大事な日に、ツイてないなぁ…」



現場に到着する



「ゴメン、遅くなった!」

「待ってたぜルド!」

「それで、状況は?」

「今のところ被害は最小限に留めてある、問題はアイツだ…」

「ん?」


「さぁお行きなさい!我がしもべ達よ!」


次々とモンスターを召喚して操る四天王補佐 ディアブール


「四天王補佐 ディアブール…たしか、“召喚士”の」

「ああ、アイツを先に片付けない限りキリがない…」

「なら、ここは俺が!」

「ああ、いつも損な役回りばかり押しつけてしまってすまない…」

「気にするな、レヴィアタンの方は頼んだぞ!」

「ああ!」


ディアブールと対峙するルドルフ


「来ましたか、重戦士ルドルフ…ここが貴様の墓場となるのです!」

「ほざけ!お前らの好き勝手にはさせない!纏めて相手してやる!」

「フン、人間の分際で生意気な…さぁ行きなさい!あの者を血祭りにあげるのです!」


ルドルフに襲い掛かるモンスター軍団、ルドルフは果敢に立ち向かい破竹の勢いでモンスター軍団を倒していく。


「流石ですね、ですが…次は易々と倒せますかね?出でよ!『アイアンゴーレム』!」


身体が鋼鉄でできた巨大なゴーレムを召喚する


「…っ」

「さぁどうです?降参するなら今の内ですよ?」

「降参など誰がするものか…俺は、負けない!うおぉぉぉぉ!!」


アイアンゴーレムに果敢に立ち向かうルドルフ、力いっぱい剣を振るうもゴーレムには傷一つつかない


「無駄無駄!剣では私のアイアンゴーレムは倒せませんよ!」

「くそぉ!」


「ルド!リーネ、こっちはいいからルドの方を手助けしてやってくれ!」

「オッケー!」

「おっと!そうはさせん!『ウォータージェイル』!!」


と、大きな水球状の檻の中に閉じ込められるラミレス達


「ラミレス!みんな!」

「おっと!余所見はいけませんねぇ!」

「うわぁぁぁぁぁ!!」


ゴーレムの一撃に吹っ飛ばされるルドルフ


「さぁ、万事休すです…これにて幕引きといきましょうか?ゴーレム!こやつを一思いに踏みつぶして差し上げなさい!」


大きな足でルドルフをふみつけるゴーレム


(ル、ルド…ガバゴボ)


(そんな…ルドルフさんが)


(ルドルフ殿…)


(ルド…)


「よくやったディアブール、では我輩もそろそろこやつらを仕留めるとしよう」


(…っ)


絶体絶命のピンチとなったその時だった。



“ミシミシ…”



「ん?」


と、ルドルフを踏みつけているゴーレムの足に突如亀裂が奔ったのだった。


「なっ…!?」

「うおぉぉぉぉ!!」


すると次の瞬間、ゴーレムの足を打ち砕いてルドルフが飛び出したのだった。


「何ぃ!?」

「なっ!?」


(ルド!)


「フーッ、フーッ…」

「ど、どういうことだ?ゴーレムに踏みつけられて平気で立っているだと!?有り得ない!」

「俺は、まだ死ぬわけにはいかない!!大好きな彼女(ルタさん)の誕生日を祝うまでは、死ぬわけにはいかないんだぁぁぁぁ!!うおぉぉぉぉ!!」


と、勢いよくジャンプして剣を構える


「まさか、いや…ゴーレム!やれ!」


迎撃しようとパンチを繰り出すゴーレム


「邪魔を、するなぁ!!」


するとルドルフは、先ほどまで全く歯が立たなかったゴーレムの腕を一刀両断に斬り裂いたのだった。


「う、嘘だ…あ、有り得ない!こんな人間ごときに、人間ごときにぃ!」

「次はお前だ…俺の邪魔をする奴は誰であろうと許さない!」

「ひ、ひぃっ!」


ゴーレムを倒され、ルドのあまりの気迫に思わず一目散に逃げだすディアブール


「あ、おい!勝手に逃げるな!くっ、今日のところはここまでにしてやろう!覚えていろ!」


捨て台詞とともに去っていくレヴィアタン軍、するとここでラミレス達を閉じ込めていた水の檻が消えラミレス達は解放される。


「ぷはぁ!ハァ、ハァ、ハァ」

「た、助かった…」

「ハァ、ハァ、ふぅ…」


と、気力を全て出し尽くしたルドルフはその場に倒れ込む


「ルド!」

「ルドルフさん!」

「ルドルフ殿!」

「おいルド!しっかりしろ!」

「無理もありませんわ、こんなに傷を負った状態であれだけの大立ち回りをしたんですもの…普通じゃ有り得ませんわ…」

「ルド…ホンっト、あんな無茶するなんてバカな子ね」

「ハーミア殿、治せるか?」

「ええ、ベストを尽くします」

「一先ず、宿へ帰ろう…シドウ、ルド運ぶから手伝ってくれ」

「心得た」



・・・・・



【勇者パーティーの宿】



「…う、う~ん、あれ?ここは?」


目を覚まして起き上がるルドルフ


「お目覚めですか?」

「ハーミア、そっか…魔王軍と戦ってそれで、あれ?あんまり覚えてないな…あの後一体?」

「覚えていらっしゃらないのですか?あの後ルドルフさん一人であの大きなゴーレムを倒したんですのよ」

「そうか、なんかその辺の記憶が曖昧で…」

「無理もありませんわ、あれだけ大暴れしたら…ところで、ルドルフさんにお客様がお見えになっていますわ」

「俺に?」

「ええ、どうぞ」

「お、お邪魔します…」


と、そこへ現れたのはなんとムエルタだった。


「えっ!?ル、ルタさん!?なんで?」

「私が呼んだのです、安心してくださいませ…念の為ラミレスさん達には私の催眠魔法で眠っていただいておりますので」

「あ、ありがとう…」

「では私もこれで、後はお二人でごゆるりと…」


退室していくハーミア


「…え、えっと、来てくれてありがとう、ルタさん」

「いや、ハーミアからルドが大怪我したって聞いて…でも案外元気そうで良かった」

「あ、あの…」

「ん?」

「これ、お誕生日おめでとう!」


と、小包を渡す


「…っ、も、貰っていいのか?」

「ああ、もちろん!」


包みを開けて箱を開く、そこには指輪が入っていた

黒みがかった銀色で悪魔の翼と二本の剣があしらわれたデザインの指輪だった。


「これ…」

「うん、今日の日の為に特別に作ってもらったんだ…世界に一つだけの、君だけの為の指輪だよ」

「ルド…う、うえぇぇぇぇん!!う、嬉しいよぉ!」


涙を流して喜ぶムエルタ


「良かった、喜んでもらえて…」

「嬉しい、本当に嬉しいっ!一生大切にする!」

「フフフ、魔族の寿命は長いからルタさんが言うと重みが違うな…ところで、ルタさんっていくつになったの?」

「む、女の子にそれ聞くか?場合によっちゃセクハラだぞ」

「ご、ごめん…」

「まぁ、いいや…いつか言おうと思ってたし、私…今日で“45歳”になりました」

「えっ…」

「なんだ、そのえっ…は?」

「いや、思ったよりもそんな長生きじゃないんだなって…」

「わ、悪かったな!だからあんまり言いたくなかったんだよ!それに、45歳なんて人間基準で見たらもうイイおばさんじゃん…」

「そんな…それに俺は年齢なんて気にしないよ?ルタさんはルタさんじゃん」

「ルド…」

「ルタさん…」

「ルド…好きぃ、大好き!」

「俺も、大好きだ!ルタさん!」

「ルド!」

「ルタさん!」


と、二人は強く抱きしめ合い、熱く唇を交わした。


「…身体、熱い」

「俺も、すごいドキドキしてる」

「今日は、本当にありがとう…最高の誕生日の思い出になった」

「そっか、それは良かった…」

「じゃあ、そろそろ帰るよ…またね」

「うん、また…」



・・・・・



一方その頃、魔王城では…



「今帰った」

「おかえりなさいませ、魔王様…」

「ああ、ふぅ…」

「あの、魔王様…」

「ん?」

「今日はどちらへ行かれていたのでしょうか?」

「ん?これだ…」


と、懐から何かを取り出す魔王様


「…っ、『悪魔っ子アイドル『デビデビシスターズ』!?」

「ああそうだ!つい最近知ってな、結構ハマっておるのだ…やはりアイドルは良い、推しからしか得られぬ栄養がある」

「は、はぁ…」

「おっと、こうしてはいられん!この後彼女達の生配信があるのじゃ!フハハハハハ!」

「………」


これはしばらく、恐怖エネルギーなんかなくても生きていけるんじゃね?と思う家臣なのであった。





To be continued...



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