憎きライバルのデートをエスコートすることになったんだが、いったいどうすれば良いんだ!?
「ホント何言ってんだよ……」
俺の敵こと神上は俺を半分心配しながらも、引いた様子で言った。
「いや、ちょっと取り乱しただけだ」
「そ、そうか」
「んで、いつも能天気でイケメンでモテモテでキャッキャウフフな神上さんがなんでこんな陰気臭い所に来るんだよ?」
「ちょっと言い過ぎじゃないか?」
「事実を言っただけだ、んで何しに来たんだ?」
そう聞くと神上はどこか思い詰めた表情をし、
「俺に彼女が出来たんだ」
それを聞いた俺は思わず持っていた、いちごミルクの容器を地面に落としていた。
「……マジ?」
「マジ」
「色々と驚きの方が勝ってるんだが。てか彼女いなかったのか? あと誰だよ、その彼女てのは! 俺が認めた相手じゃないと許さないかんな!?」
「なんでお前が色々と仕切ってんだよ……」
神上はどこか照れ恥ずかしそうに、頭をゴシゴシとかきながら、その彼女とかいう女の名を出す。
てか、俺より先に彼女が出来た事が許せんッ‼︎
「角崎だけど……」
……ああ、その女ねぇ〜、興味ねぇや。
「んでその女がどうしたんだよ? ただ俺に自慢しに来たんじゃねぇだろうな!?」
俺が拳を握りしめ神上に言うと、奴は頬を赤くしながらも、俺の元に来たわけを話し出した。
「実は今週末に角崎とデートをするんだ。それで……陰でエスコートしてくれないか?!」
神上のその言葉を聞いた俺は速攻で、
「——断る」
そんなことを言われた奴は、戸惑いの表情を浮かべやがる。
「な、なんでだよ?」
「俺は俺で色々と忙しいんだよ。宝条のことも穂状のこともある……デートをエスコートする時間がな——」
俺は言ってカッコよくどこかへ行こうとした時、奴はとんでもないことを口にしやがった。
「来月末に発売される仮面アイドルのライブのグッズを買ってやるから! 手伝ってく——」
「何を言ってるんだ神上くん! もちろん手伝わせてくれないか? 神上くん☆!」
「お、おう……」
こうして俺は神上と彼女のデートをエスコートする事になった。
皆さんこんにちは!作者の沢田美ですッ!
今回は「神」の名を冠する者こと神上くんにとうとう彼女がっ!? 実は神上くんこれが初めての彼女だそうです! そんな神上くんのデートをエスコートすることになった神島はどうなるのか?!
次の投稿は金曜日の昼頃に投稿します!
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