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独占欲にまみれたクラスのマドンナがヤンデレ気質になったんだが、いったいどうすれば良いんだ!?

体育祭が終わっても未だに続く夏。いつになったら夏休みが始まるんだか。まぁそれより、今後俺はどうしたらいいんだ……まだ宝条とは会ってないし、穂状に至っては前より俺に接してくれる。

 

 宝条からの告白と穂状からの告白……俺はいったいどうしたら良いんだ!? ダメだ迷ってる場合じゃない、決めなければ武道館ライブまでに。

 

「神島! 一緒にお弁当食べようよ!」

 

「お、おう」

 

 穂状がグイグイと迫ってくるので、俺は圧倒されながらも、弁当を取り出そうとした。

 

 あ……いつも宝条に作って貰ってたんだわ……どうしよ。

 

「どうしたの? 神島」

 

「いやなんでもない、先に学校の屋上に行っててくれないか?」

 

「う、うん分かった」

 

 周りを見ても宝条の姿はない、どこに行ったんだ。俺は彼女が行きそうな場所を思い浮かべながら、席から立ち、宝条が行きそうな場所を回る。

 

 しかし何処を探しても彼女の姿は見当たらない。そんな時、俺はふとある場所のことを思い出した。

 

 あそこか。

 

 ※

 

 以前、俺と彼女が弁当を一緒に食べた所……急がねぇと。上手く人を避け、階段を降りていつもの階段裏にたどり着いた。

 

 そして、そこに居たのは、一人で弁当を食べている彼女がいた。

 

「……やっぱり、来てくれたんだね翠星すいせい

 

「宝条……お前……」

 

 たった一人ここで待っててくれたのだろう、階段裏の陰のせいなのか、彼女の顔はどこか暗くなっているように感じた。

 

 俺がその彼女の様子に気を取られていると、宝条は食べていた手を止め、弁当を自身の横に置き、俺の方へ歩み寄ってくる。

 

「——ッ!?」

 

 自分の唇に温もりのある柔らかいモノがのっかった。そして、状況が理解できないまま俺は棒立ちしていた。

 

 ソレを終えた宝条の目には光がなかった。そして、彼女はまるで自分の犬を抱きしめる様に俺を抱きしめた。

 

「これで私のモノだね」

 

 そう俺の耳元で囁いた。

 

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