表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/117

幼馴染の引いたお題に驚きを隠しきれないんだが、いったいどうすれば良いんだ!?

「よっしゃあァァ! リア充に勝ったぞぉ!」

 

「ハァハァ、神島……負けたよ」

 

 角崎を下ろした神上は俺の方へ来て、そう言った。

 

「か、神島……は、恥ずかしい」

 

 背中に背負っていた穂状を見ると、彼女は頬を真っ赤に染めていた。それを見た俺は慌てて彼女を下ろした。

 

『さてさて! 今回第一位になった御二方はどんなお題を引かれたんでしょうか?!』

 

 そう言って、俺にマイクが手渡された。

 

 あ……思い出した、たしか、一位だったやつはお題を公表だったけか。

 

 それを思い出した俺は穂状の方にマイクを渡した。すると、彼女はめちゃくちゃ顔を真っ赤にしながら、マイクを受け取った。

 

「わ、私が、引いたお題は」

 

 何故か俺は息を呑んだ。

 

「『ずっと側にいて欲しい人』……です……」

 

 それを聞いた俺は思わず「ッ!?」と言葉も出ない状況になり、理解の追いつかないことになった。

 

 そんな俺を置いて周りからは拍手と歓声が上がった。

 

 ※

 

 まぁその後のことはよく覚えてない、ただ唯一覚えていることは、最後の選抜リレーで優勢だった赤団が最後の最後で神上に追い抜かれ、結果的に青団が優勝したことだ。

 

 そしてようやく状況が整理できた時は、もう体育祭は終わっていた。

 

「……」

 

 無言のまま俺が自転車を押して帰っている時だった。突然後ろから何かが俺の背中に当たった。

 

 後ろへ振り向くと、そこに居たのは頬を赤く染めた穂状がいた。

 

「神島……帰るなら私も誘ってよ」

 

「……スマン」

 

 夕焼けが見えるオレンジ色の空の下で、俺と彼女は沈黙のまま歩みを進めていた。何かを言おうと俺が言葉を探していた時だった。

 

「ねぇ神島」

 

「?」

 

 突然、穂状が立ち止まった。そして、穂状は何かを決めたかのように深呼吸をすると、

 

「私、私は神島のことが好き。答えはまだ聞かないけど……そのかわり、私が神島のことが好きってことだけ覚えておいて」

 

 まただ、また、俺の頭がおかしくなった。

 

「おう、分かった」

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ