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マネージャーになることになったんだが、どうすれば良いんだ!?

「良いじゃん、スミスミブス専なんだから、その子でピッタリじゃん」

 

 ミズレは言うと、スマホで俺と宝条をツーショットにして写真を撮った。

 

「勝手に決めないでよ! マネージャーくらい私が認めた人に——」

 

「でも今の今までそう言って、私たちが紹介した人たち全部蹴ってきたじゃん。スミスミ、私はアンタの事を思って言ってるの」

 

「それは……」

 

 アカネの言い分に周りのミズレ達は、うんうんと首を縦に振る。宝条は彼女の言葉に何も言えない様子だった。軽はずみに言ってしまったな……やっぱやめるって俺が言うべきだな。

 

「やっぱ俺マネージャーやめ——」

 

「分かった」

 

 俺が言葉の撤回をしようと口を開いた時、その発言を遮るように宝条は言葉を発した。

 

「分かったわ……皆の意見もたしかに間違ってない、だから一ヶ月! 一ヶ月間神島くんを私のマネージャーにする! それでマネージャーの適性があるなら私のマネージャーにする! これでどう?」

 

 それを聞いた俺を除くアカネ達は「おぉ」と感心した声を上げる。しかし、その一方で俺は「うへぇ」と驚きのあまり憔悴してしまう。

 

 そして、彼女は俺の元へ歩み寄ると、俺と硬い握手をした。うん、何この握手? てかマジで決まったの? 俺まだ覚悟決まってないんですけど……え、ホントに?!

 

「おいブスくん、スミスミを頼んだぞ」

 

「へ?」

 

 ボーっとしている俺にミズレはニシシと笑いながら言うと、それに続いてアカネやソウが応援の言葉を残していく。

 

「よろしくお願いします、神島くん……いいえ、マネージャーさん」

 

「うへぇ」

 

 というわけで、俺の青春にアイドルのマネージャーとかいう謎の要素が仲間に加わりました! さて、この先どうなっていくことやら。

 

 ※

 

 昨日の件が頭から離れないまま迎えた次の日の朝。

 

「おはおは! 神島!」

 

 教室に入ると俺を出迎えてくれる穂状。

 

「穂状か……なんか俺お前見てると安心するわ」

 

「え?! なにそれ、どういう意味?!」

 

 昨日の件で色々と疲れた俺は、ついそんなことを言ってしまう。いやまぁ安心するのは事実なのだが。

 

 こうして穂状と話していると、教室にこのクラスのマドンナが入ってくる、そう宝条菫だ。彼女が入ると相変わらず周りにいた生徒たちが宝条に群がる。本当にこの現象はどうにかして欲しい、だって、この現象が俺の席で起こると座れないんだもん!

 

「おはよう、神島くん」

 

「お、おはよう」

 

 宝条はこちらへ優しく微笑みながら言うと、俺はつい挨拶を返してしまった。

 

 ※

 

 スミスミのマネージャーになった事に未だに実感が湧かない俺は、ボーっとしながら先生の授業を聞き流していた。ダメだ、まったく授業に集中出来ねぇ……。

 

 俺は持っているシャーペンを回しながら、ふと、宝条の方へ視線を送る。すると、彼女はこちらを甘い瞳で見ていた。

 

「——ッ……」

 

 一瞬、彼女と目が合ったことに驚いたものの、俺はサッと宝条を視界から外した。そして、気づけば四限目の授業の時間の終わりを告げるチャイムが鳴り、授業が終わった。

 

 さて売店でパンでも買って、あの場所でゆっくりするか。俺は席から立ち、財布を持って売店へ向かおうとした。が、その時、誰かが俺の袖をクイッと掴む。

 

「神島くん、どこに行くの?」

 

 袖を掴んでいたのは宝条だった。

 

「いや、売店でパンでも買おうかなと」

 

「お弁当じゃないの? 育ち盛りの高校生がパンだけだとちょっとアレじゃない?」

 

「いやまぁそう言われればそうだけど……俺料理できないから弁当とか作れねぇんだ」

 

「お母さんとかお父さんは作ってくれないの?」

 

「うーん、俺の両親共働きだから」

 

 言うと宝条は納得したような顔になると、バッグをゴソゴソと漁り出す。そして、どこか照れた様な表情で俺にある物を渡した。それを見た俺はつい「何これ?」と言葉を漏らした。

 

 すると、彼女は小声で何かゴニョニョと言っている。

 

「え、何こ——」

 

「お弁当!」

 

ここまで読んでくださりありがとうございます!


明日は一本だけ投稿したいと思います! 時間は未定です


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