因縁の相手と出会ったんだが、どうすれば良いんだ!?
「こっち来て! 神島!」
穂状が俺を呼ぶと、周りにいた団の皆が俺の背中を押して、俺を舞台に無理やり上げた。
「お、おんぶして神島」
「へ?」
「早く!」
「へいへい!」
彼女の勢いに負け、俺は半ば無理やり穂状を背負わされた。
「うん、重——」
「その次の言葉を言ったら○すから?」
「ヒイィ!」
俺は恐怖に脅えながら、死なない為に猛スピードで走り出した。……俺の背中に穂状の豊満な胸が当たってる……意識するな! 勝利を目指すことだけを考えろ!
俺がそう思いながら走っていると、隣から何者かが走ってきた。隣を見るとそこに居たのは「神」と名のついた神上だった。そんな彼が背負っていたのは、うちのクラスのカースト上位に君臨する角崎すみざきだった。
「神島も走られてるんだな、なんかお互い似てるな!」
「馬鹿野郎、一緒にすんじゃねぇ」
俺と神上が喋っていると、神上に乗っていた角崎が、
「慎吾しんご! 話してる場合じゃないよ! 早く一位取ろうよ!」
「彼女がそう言ってるから、俺は先に行くぜ」
彼はそう言うと、俺をあっという間に追い抜いた。神上のその言葉を聞いた俺の中で何かが切れた。
「うおぉぉ」
かす○べ防○隊! ファイヤー!!
「ちょ! 神島速い!」
穂状はそう言って、俺にしがみついた。ビューっと聞こえてくる風の音と、風の流れが皮膚に当たる感覚の中、俺は神上を越し、第一関門のネット地獄の下を潜る。
負けてたまるか!
俺は必死にネット地獄を掻い潜り、見事第一関門を突破した。そして第二の関門である橋を難なくと渡りきる。それと同時だった、俺の隣にまたしても神上が現れる。
「勝ちは譲れないな!」
「リア充なんかに負けてたまるかぁ!!」
俺は残り有り余った体力を全て消費し、ラスト50メートルに全てを賭けた。俺と神上お互い本気! だがな、俺は知ってるぜ? お前この後選抜リレーだろ、少しは体力残しときたいよなぁ?! 俺は全力で走れる! だがこの後選抜リレーのあるコイツは全力で走れない!
「つまり! 俺の勝ちだァ!」
俺は神上を瞬時に追い抜き、ゴールテープに誰よりも先にゴールした。




