暇つぶしにそこら辺をブラブラしてたら、知り合いのアイドル達と遭遇したんだが、いったいどうすれば良いんだ!?
「な、なんで」
「なんで、てそりゃスミスミを応援しに来たのさ、あとアカネとカスミは神島《君》を見に来たわけ。感謝しなぁー? 特にカスミとか」
ミゾレさんはカスミさんの方をニヤニヤとしながら見て言った。それに続いてアカネさんもニヤつきながら、
「そうなんだよ〜、カスミたらどうしても神島君とスミスミを見に行く、て聞かなくてさ」
「あ、アカネ! そ、それは言わないて、や、約束したじゃん!」
焦った様子でアカネさんの肩を揺らして、カスミさんは言った。
「それよりさ、スミスミはどこなん? 一緒のクラスなんしょ? ちょっと一目見たいから案内してよ」
ミゾレは前かがみになり、俺の胸をつつきながら言う。そんな彼女のめんどくさい行動に俺は「やめてください」と言った。
「あのここで宝条さんとあったりすると色々とめんどくさい事になるなると思うんですけど……」
「は? なんで?」
ミゾレさんはそう言うと、俺はそのわけを説明する。
「変装してるとはいえ、変装がバレたら大変なことになります。だから観客席の方で応援してもらっていいですか?」
「なるほどなるほど」
「わ、私、この前サングラスはずして外出たら、ひ、人に囲まれましたし、神島くんの、い、言っていることは正当な事かと……」
「神島くんが言うなら……良し! ミゾレ、カスミ! 観客席の方で応援しよ!」
ミゾレさん達は観客席の方に向かっていった。
アカネさん達を何とか説得できた俺は、その場から立ち去ろうとした。その時、誰かが俺の肩に何かを置いた。
「ん?」
何かと思った俺が後ろを振り向くと、プニっと俺の頬が誰かの指で押された。そして、次に俺の視界に入った人物に俺はため息をついた。
「よぉ! スイちゃーん」
「んだよ姉ちゃんか……来るなら言ってくれよ」
「あぁ?」
俺のその反応を見た姉はイラついた様子で、俺の頬を引っ張りながらこう言った。
「あのなぁー、なんで体育祭があるって事言わなかったの?! 私がスイちゃんの部屋に入って初めて今日が体育祭だって知ったんだからね?! なんで教えてくれなかったの?!」
「いやまぁアレだよ、機密情報だから? 他には教えちゃいけないかな、て」
「アァん?」
「はい、すみませんでした」
姉の鋭い眼光に圧倒され、俺は命の危機を感じ、そう言った。すると、姉は「はぁ」とため息をつく。
「私、お母さんと一緒に体育祭見てるから、頑張ってね」
「頑張るつっても玉入れだけどな」
「スイちゃんらしいな! ま、とにかく頑張って!」
「おうよ」




