体育祭で幼なじみに謝らなきゃいけないんだが、いったいどうすれば良いんだ!?
「これで開会式を終わります」
校長のその声と共に、蒸し暑い中行われた開会式は終わった。開会式が始まってる間、後ろにいる穂状とは一度も話してない。そもそも顔も合わせてない。
どうにかして謝りたんだが……。
開会式が終わった事で生徒達は、それぞれの団のテントに戻っていく。そんな中、俺はテントに戻っていく穂状の肩に手を置いた。
「なに、もう関わらないんじゃなかったの?」
彼女はこちらへ顔を向けず言う。そんな彼女の様子に俺は乗せていた手を退ける。
「そうだ、関わらないと決めたんだ。でも、それは俺の本音じゃなかった。だから俺の種目が始まる前に校舎裏に来てくれ、そこで俺の本音を言う、別に行きたくないならそれで良い」
俺はそれだけを言い残すと、穂状と顔を合わせぬままテントに戻った。
※
玉入れは午後の休み時間が終わったあとだから、まだ時間はあるな……暇だな、応援するてのもめんどくさいしな……コソッと抜け出して、そこらへんを散歩するか。
俺はお得意の存在を消すステルス能力を使って、団のテントから簡単に抜け出すことに成功した。
やはり体育祭なだけあって、応援に来ている保護者が多い。うん? 俺の親は? て? 安心しなさい誰にも伝えてないから来ないよ。
「お、神島くんじゃん!」
聞き覚えのある声が観客席の方から聞こえてきた。まさかと思い俺はその声の方へ視線を向けた。
「アカネさん!?」
そこには変装をして、こちらへ手を振っているアカネさんがいた。
「私達も居るぞー」
そして聞き覚えのある気怠げな声を聞いた俺の目の前には、サングラスをかけ変装をしているミゾレさんとカスミさんが居た。




