クラスのマドンナから幼なじみと仲直りするように言われたんだが、いったいどうすれば良いんだ!?
体全体に暑さが纏わりつく感覚に襲われながら終えた体育祭の予行練習。
あの一件があってから俺は一言も穂状と口を合わせてない。帰り道でも彼女は話しかけてくる事もない。こうなるべきしてなったて所だな。
何故かどこか寂しさを覚えながらも、俺が家に帰る為に足取りを進めていた時だった。
「ちょっと神島くん」
聞き覚えのある声と共に俺の肩に柔らかい感触の手がのる。まさかと思い俺は後ろへ振り返る。すると、そこに居たのは、俺をどこか怪しんでいる宝条が居た。
「なんだよ、何か俺に用があるのか?」
「貴方、穂状さんと何かあったよね? 何があったの」
「別に何もない」
「何もないわけないじゃない。正直に言って穂状さんと何があったの?」
真剣な眼差しで見つめてくる宝条に俺は、穂状との一件を何一つ誤りなく伝えた。すると、彼女は表情を暗くした。
「だからこれは俺の問題だ。宝条が絡む必要はない」
俺がそう言って再び足を進めようとした時、宝条は俺の自転車の荷物置きを握った。
「これは神島くんだけの問題じゃない、私が中学の頃神島くんの告白を断って起きたこと、神島くんだけが背負っていい問題じゃない。だから私は貴方に謝る、神島くんは穂状さんに謝って」
「……そうだな、明日直接謝る」




