体育祭の予行練習がダルすぎるんだが、いったいどうすれば良いんだ!?
満喫した三連休が終わり、とうとうやってきました! 体育祭予行練習日! はい一言でゴミです! 学校で目立つ奴だけが輝く行事です! 正直帰りたいです!!
と無限に出てくる文句を永遠と言っていると、後ろに並んでいた穂状が話しかけてきた。
「ねね! 神島! 今日の体育祭頑張ろうね!」
彼女は目をキラキラと光らせ、The陽キャが言いそうなことを言った。そんなキラキラセリフに俺は、いつも通りの死んだ顔めちゃくちゃダルい風に、
「まだ本番じゃないから頑張る訳ないだろ、あと、ちょっと近い」
俺の言葉に彼女はブーと拗ねた。俺と穂状が話していると、隣にいた宝条の肘が俺の脇腹をつついた。
「ちょっと、もうすぐで予行練習始まるからしっかりして!」
「へいへい」
※
開会式の練習を終えた生徒達は、次の種目の練習に出る人以外は、後ろの色で分けられた団のテントで待機。
「ねぇ神島」
俺が一人でムワムワと襲いかかってくる夏の暑さと戦っていた時、穂状が話しかけてきた。
「あ、あのさ……か、神島はどれくらいのタイミングで玉入れに出るの?」
「……そんなの前に書いてるスケジュール表見れば分かるだろ」
「神島そういう感じで女子をあしらってるとモテないよ?」
彼女はこちらを幻滅したような目つきで言った。
「俺は元々女子とかにモテたいつもりはない。……俺が出るタイミングは二人三脚の次だ」
「そ、そうなんだ……」
穂状はどこかソワソワした様子で、ある方向に視線を向けていた。気になった俺はふと彼女が見ている方向に目線だけを向けた。
すると、そこに居たのは穂状といつもつるんでいる陽キャ達だった。その陽キャ達は、俺と穂状が一緒に居るところをクスクスと笑って見ていた。それを見た俺はふいに過去の事を思い出した。
中学の頃にクラスのマドンナにフラれたというレッテルを貼られ、クラスの陽キャ女子達から笑いものにされた、その理由もあって俺は不登校になったことがある。
中学の女子達は、俺を笑いものにするためにいつも絡んできた。……俺はまた揶揄からかわれているのか?
「なぁ穂状……なんでお前は俺にいつも構ってくれるんだ?」
「——ッ、だ、だって、そ、それは……神島のことが!」
穂状が何かを言いかけた所で、俺はその言葉を聞く前に言葉を挟んだ。
「すまん、穂状……もう俺に絡むのやめていいぞ」
「え、それってどういう意味……なの」
「俺が情けないから、お前はいつも俺に絡んでくれるんだよな……」
「ち、違う私は」
「穂状……もし君の優しさで俺に絡んでくれてるのなら、それはやめてくれ。俺が得してもお前が得しない。だから、もう俺に絡むのやめていいぞ」
俺がそう言うと、穂状は顔を暗くしたままこう言った。
「神島は何も分かってない……バカ」
穂状はそう言葉を言い残すと、どこかへ去っていった。
これで良いんだ、これで中学の頃みたいに傷つくのは俺だけで済む。
何とも言えない気分になった俺は、そのまま自分の団のテントの中へ向かっていった。




