最後に幼馴染に『付き合って』と言われたんだが、どうすればいいんだ!?
地獄のホラー映画の時間が終わり、無心のまま俺は映画館を出た。
「神島、大丈夫?」
「大丈夫じゃない、もう帰りたい、てか帰る」
「……じゃあ、ちょっと最後だけ付き合って」
穂状は頬を赤くしそう言った。
「……またホラー映画か?」
「そんなわけないじゃん! ほら私、欲しいものがあって来たからさ!」
「そうか……」
※
穂状に連れられて来たのは、ガチャガチャが沢山置かれたガチャコーナだった。
そして、彼女は何かを見つけたのか、早歩きであるガチャガチャの前に立った。
俺もそんな彼女の後ろに立った。すると、穂状は俺にスマホ画面を見せた。そこに映っていたのは可愛らしいマスコットキャラクターがラインナップされたガチャの公式サイトだった。
「私ねこのメイプルていうライオンのマスコットが欲しいんだ」
「1回500円て高くねぇか?」
「高くてもいいの、最近このマスコットキャラクター達流行ってるから、そうだ神島も一緒にやろうよ! お金は私が払うからさ!」
「いや大丈夫だ、お金は流石に自分で払う……いやなんで俺も引くことになってんの?」
「いいじゃん! さてまず私から」
穂状はそう言って、ガチャにお金を入れ、ガチャのハンドルを回し、カプセルを取ると、カプセルを開けた。
「やった! メイプルだ! 次良いよ神島!」
彼女の言葉にあとに引けなくなった俺は、仕方なく5枚の100円玉をガチャに入れる。そして、ガチャのハンドルを回し、カプセルを取り出す。
「お! それってメイプルじゃない?!」
穂状がそう言うと、俺はそんな訳が無いと思いながら、カプセルを開け、中身を確認した。……メイプルだ、なんだそのだらしない顔は……。
「やったね! オソロだね!」
オソロ……オソロッチと同じくらい俺にとっては怖い言葉だ。
ショッピングモールで欲しい物を買った俺と穂状。外に出ると、外は既に暗くなっていた。
「それじゃ、今日は付き合ってくれてありがとう……また明日学校で」
「おう」




