最悪な出来事に直面したのだが、どうすれば良いんだ!?
俺の名前は神島翠星かみしま すいせい、今穂状と俺の姉が仲良く買い物している光景を遠目で眺めている者だ。どうしてこうなった……。
こうなる数十分前のこと。俺と穂状は足並みを揃えながら帰っていた。
「ねぇ神島、この後暇?」
「暇じゃない、家に帰ったら推しアイドルの情報とか狩りゲーの新作発表とかあるかチェックしないといけない」
「それって暇だよね?」
俺の毎日のルーティンに対し、穂状は冷たい目線でそう言った。
「じゃ、じゃあさ、このあと一緒にショッピングモールに行かない? 私欲しいものがあってさ」
「それなら尚更俺行かない方が良くないか? 俺がいると邪魔だろ?」
「なにそれ、全然邪魔じゃないよ。私は神島と一緒に行きたいの」
穂状は真剣な眼差しでそう言った。俺は彼女のその真剣さに思わず「お、おう」と言ってしまった。
※
というわけで来てしまった近場のショッピングモール……来たのはいいものの何をすれば……まぁここは無難に穂状の行きたいところに行ってやり過ごそうか。
俺がそう考えていた時だった、いつも神は俺を見放してくれる。
「お! スイちゃんじゃーん。ん? あれ!? 瑠衣ちゃんじゃん!」
「ウゲッ」
「え! 神島のお姉さん!?」