アイドルのマネージャーが強引に変えられるとか、どうすれば良いんだ!?
なるほどそう来たか……まぁあの性格だもんなアカネさんのマネージャー。
「ま、マネージャーをやめさせる、て……何か今のマネージャーに不満でもあるの?」
宝条は少々驚いた様子で言った。すると、アカネさんは真剣な表情をした。
「不満ていうより、人間関係かな。最近ウチのマネージャーと上手くやれてないんだよね。私のマネージャーはよく人を見下す人でね、私が何度も注意しても直らなくて……今日だって私のマネージャーがオタクくんにちょっかい出したて言ってたし。正直もう、うんざりなんだよね」
「でも、もしアカネがマネージャーを辞めさせたら、新しいマネージャーは見つけられるの?」
「マネージャー? そんなのもう候補は居るよ?」
アカネさんはそう言うと、何故か俺の元に歩みよると、俺の腕に抱きつく。
「このオタクくんにしようかな、て」
「ウゲッ」
「「はぁ!?」」
あまりの予想外の展開に、俺達は動揺を隠せきれなかった。そんな状況にしたアカネさんはそんな俺達を置いて口を開いた。
「だってスミスミ、まったくオタクくんを活用してないじゃん? これじゃただの宝の持ち腐れだよ。それに私結構オタクくん気に入ってるんだよねー。ねぇオタクくん、私なら君を使い回せるよ? どう? 良いと思わない?」
アカネさんは俺に顔を近づけ言う。近い近い! それに胸も当たってる! これをラッキースケベというのか……俺のバカ! 冷静になれ!
「あ、あのすいませんが俺——」
俺がアカネさんの誘いを断ろうとした時、俺の言葉を遮るように宝条が口を開いた。
「だ、ダメです! 神島くんは私の……私の大切なマネージャーさんです!」
「スミミ……」
「宝条……」
宝条の言葉を聞いたアカネさんは「ふーん」と言って、俺の腕から離れた。
「冗談冗談! 私が人のマネージャーを取るわけないじゃん……でも一週間だけ貸してほしい。これは冗談じゃない」
真剣な眼差しでアカネさんは宝条を見る。いや待て、俺の合意無しに話進めようとしてない? 大丈夫これ?
「分かった、一週間だけなら」
宝条さん? 俺の意見とか聞かないんですか? これ俺の合意とかなしですよね?
「神島、私色々とよく分かんないけど頑張って!」
ちょっと? 穂状さんも何か言ってくださいよ、このままだとマジで俺がアカネさんのマネージャーになることになるんですけど……え、これガチでスミスミのマネージャーからアカネさんのマネージャーになんの?
戸惑っている俺を置いて、彼女達は話をドンドンと進めていく。そして、俺は一週間アカネさんのマネージャーになることが決定した。
「マジかよ」




