推しアイドルが顔バレしたんだが、どうすれば良いんだ!?
『スミスミ、大丈夫かな?』
『いきなり男が叫んで来たからビックリしたわ』
『てか、スミスミを寸前のところで助けた奴マジでナイス!』
『あれ演出だろ、ソロライブで仮面外して顔公開とかどこかで見たことあるわw』
『スミスミの顔初めて見たけどマジ可愛んじゃが!』
『スミスミの顔の件に皆視線がいってるけど、空気感とかあの展開がどうしても台本としか思えんよなぁ……』
俺がスマホでソロライブの突然の中断について調べていると、あるネットの掲示板では「仮面アイドル」スミスミのソロライブは賛否に分かれていた。賛否は分かれていたが、まぁネットの反響は凄かった。
それと同時に宝条の顔も凄いことになっていた。なんたって今の彼女の顔面が蒼白になっていて、凄く落ち込んでいるのだから。まぁそうなるのも分かる、なんたってネットでの顔バレは恐ろしい事で、俺みたいな変人に付きまとわれてる可能性があるからだ。ん? 俺みたいな変人? 待て待て俺至極真っ当な普通の人間だよ?
「スミミ! そんなに落ち込まないで! スミミは私よりずっと可愛いからネットの輩になんか負けないで!」
「穂状さん……」
「穂状の言う通り、ほら宝条さん結構人気だよ」
俺はそう言って、ネットに書かれた反応を宝条に見せる。
「ネットの反応がどうのこうのじゃなくて、メンバーのアカネ達に顔バレの事をどう説明したら……」
「なるほどそういう事か……それなら心配しなくて良いんじゃないか?」
「え?」
俺が言うと宝条は困惑した表情になる。その時だった、撮影場所の扉がどガチャンと強く開いた。
「へぇ、ここがスミスミのソロライブやってた場所か〜、広いねぇ!」
そう言って撮影場所に入ってきたのは「仮面アイドル」のアカネ、ミズレ、ソウちゃん達だった。
予期せぬ人達が現れた事に、宝条はポカンと口を開けて棒立ちしていた。
「な、なんでアカネ達がここに居るの!?」
「なんでって、私達のリーダーのソロライブを見に行くぐらいするでしょ普通」
アカネが言うと、宝条は申し訳なさそうに頭を下げて言った。
「……ごめんなさい、顔バレしちゃった。みんな本当にごめんなさい」
「あぁその事なら気にしなくていいよ、ほら見て!」
アカネはそう言って、仮面アイドルのホームページを俺たちに見せた。そのホームページに書かれていた文面に宝条と俺は驚愕した。
『仮面アイドル! 来週のライブから仮面を卒業します!』




