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俺のメンタルて豆腐メンタルなの? それとも鋼のメンタルなの? どっちなんだ!?

 照明が彼女に当たることで、より一層アイドルとしての輝きを見せるスミスミ。

 

 そして、流れ始める曲のメロディー。そうその曲名は仮面アイドルが最初に作った曲「君とあの空」だった。

 

 それを聞いてしまった俺は、無意識的に持ってきていたバックの中に手を突っ込むと、そこからスミスミのメインカラーのペンライトをだし、大きくペンライトを振る。

 

 それを隣で見ていた穂状は半分引いていた。バレちゃった多分これバレちゃった、俺がアイドルオタクだってバレちゃった。

 

「穂状……ペンライトやるからお前もやれ」

 

「は? 何言ってんの?」

 

「良いから!」

 

 俺はそう言って、無理やり彼女の手にペンライトを握らせる。

 

 流れてる曲に合わせてキレッキレに踊る推しの姿。クッソ〜、これが宝条菫なのが悔やまれる〜! でも推しは推しだ! 気張って応援するのが一流のオタクだ!

 

 込み上げてくる謎の高揚感に襲われながら俺は、ペンライトを大きく振る。まぁ、当たり前のことだが、俺のこの姿をスタッフさん達は結構ガン見してた。

 

 そんなこんなしていると、不意に俺と宝条の視線が重なる。まぁ不思議なことに、彼女は俺の姿を見て引くんじゃなく、クスッと笑った。

 

 まぁそんなことをされたら、世の男たちは誰だって勘違いするはずだ。もちろん俺も勘違いしかけた。

 

「神島、凄いよ、今の同接人数!」

 

 と突然穂状が見せてきたのは、スミスミのソロライブのチャット欄だった。同接二万人!? こ、これは仮面アイドルの舞台ライブの時よりも多い! スミスミの人気スゲェ……。

 

「ねぇ神島」

 

「?」


「すごいよスミミ、今スミミ一番輝いてるよ!」

 

「そうだな、俺もそう見える。宝条さんはたしかに今一番輝いてる。ルックスも才能も飛び抜けてるしな」

 

「神島が真顔でそう言うとなんかキモいね!」

 

「いきなりの悪口やめてくれる? 普通に傷つくんだけど? 俺鋼のメンタルだけど傷つくよ?」

 

「めちゃくちゃ心に響いてるじゃん! 豆腐メンタルじゃん!」

 

「馬鹿言え! 俺超鋼メンタルだからな! 友達だと思ってたヤツに『俺たち友達だったの?』て言われた時、二週間くらいで立ち直った程だからな!」

 

「超豆腐メンタルじゃん! 超落ち込んでんじゃん!」

 

 俺と穂状がそんな会話を数十分していた時、ちょうどソロライブの休憩が入ったのか、仮面を外した宝条が俺たちの前に現れる。

 

「ちょっと、二人ともここは遊ぶ場所じゃないの、しっかりして、特に神島くんは」

 

「「すいません」」

 

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