幼馴染の女の子とクラスのマドンナと一緒に高級車に乗ることになったんだが、どうすれば良いんだ!?
「さ、早く乗りましょ」
「そ、そうだな……」
宝条がリムジンに乗り込もうとした時だった。
「あれ、スミミと神島じゃん。二人して何してんの?」
俺は咄嗟にその声がした方へ振り向く。すると、そこに居たのはさっきまで友達と一緒にいた穂状だった。そして、穂状はこちらを怪しみながら俺に歩み寄ってくる。
「もしかして二人て付き合ってんの?」
「「付き合ってない!」」
それを聞いた穂状は未だに不審な様子で見てくる。マズイな、このままだとリハーサルに間に合わないな。こうなったら最終手段だ。
覚悟を決めた俺は穂状の手を掴んだ。
「え、なに? 急に」
戸惑いを見せる彼女の耳元で俺は、宝条と会っている理由を話した。大体の説明が終わった頃には、穂状の目は点になっていた。
「え、それって……スミミはアイドルてこと?」
「そうだ、だから宝条さんがアイドルてことは人に言うな、あと宝条にもな……もし俺が宝条のことをバラしたってなったら俺が怒られちまう」
「まだ状況が理解出来てないけど……わ、分かった」
俺と穂状がこそこそと喋っている姿を不思議そうに見つめる宝条。
「そういえば穂状、お前さっきまで友達といなかったか?」
「あぁ、それなら断ってきたよ」
「な、なんで?」
「……だって神島がいたから」
えぇー何その可愛い理由、俺じゃなきゃ惚れちゃってるよ? 俺は少々困った様子で宝条の方へ視線を送る。すると、彼女は早く終わってと言わんばかりの目で俺たちを見ていた。
「なに二人してコソコソと話してるの? 早く行かないと時間がないよ」
「で、でも穂状が……」
「じゃあ穂状さんも連れて行けばいいじゃない」
「えぇ、それありなのー」
「ほら行くよ」
宝条は言うと、リムジンに乗り込んだ。俺と穂状もその後に続くように車に乗った。初めてリムジンに乗るのだが、中は予想以上に広く、車内の真ん中にはテーブルが置いてあった。一方の穂状はワクワクとした面持ちで居た。
「なぁ、なんで穂状を車に乗せたんだ?」
俺がそう聞くと、宝条は難しい顔をしながらもこう答えた。
「ずっと穂状さんに隠しててもいつかはバレるから、この際バラした方が良いかなと思って」
「でも他の奴らに穂状がバラしたらどうするんだ?」
「そこは私は穂状さんを信頼してるから」
それを聞いた俺は思わず「なるほど」と言葉を漏らした。そして、それから数十分が過ぎた時、運転手の黒服の男が「着きました」と言った。
俺達は車から降りた。そして、俺は目の前の立っている建物を見て驚いた。そう俺の目の前に立っていた建物は予想以上にでかく、自分が予想していた場所ではなく、大手のアイドル事務所だった。
「今日のソロライブは動画配信ライブなの」
「……配信ライブかよ」
ここまで読んでくだりありがとうございます!
ストックが切れたのでいつ投稿になるか分かりませんが、頑張って書いて投稿したいと思います!
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