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聖職者ういさん~ 超初心者編  作者: ばっちょ
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ういさんの物語 38話 魔法石

はるか西の地に、複数の巨大な緑の塔が聳え立ち、大量の魔物が住み着き、

また、地下に財宝があるかもしれないとの噂は、すぐに広まった。


ものすごい遠隔地にあるにも関わらず、

一攫千金を求める猛者の人々や、魔物討伐を生業とするギルドが集い

やがて、緑の塔へ人々が殺到する事態が訪れた・・・。


------------------------------------------------------------------------

ぺんぎんを捕獲した後、ういさんたちは、しばらく休養を取っていた。

そして、再び、緑の塔へ向かった時、驚くべき光景を目にした。

先日、切り倒し斜めになったはずの塔は、すでに再生していた。


そして、そこには、多数のギルドが緑の塔に入るため、

順番待ちの行列が出来ていたのであった。

「なんだ、これは・・・。」

「はぁ~い。お客さんは、何人?5人ね。今ねー、10番目くらいよ。」

ダンサーの姿をしたお姉さんが声をかけて来た。

「お姉さんだれ?数日前は調査団しかいなかったはずなのに。」


「あら、情報が遅いねぇ。すーぐに、わかっちゃうものよ。

でも、数日前って事は、2回目?やるわね。」

「で、お姉さん誰?どうして、こんなことになっているの?」

「私も調査団の一員よ。ただ、人手が足りないって言われて急遽呼び出されたんだけどね。」

「この塔、一回登ったなら知ってるでしょ。すべての魔物を全滅させて最上階まで辿り着くと、

全員強制的に地上に戻されるの、その後、すべてのフロアの魔物が復活するの。

だから、無限に魔物が狩れるってんで、猛者の方々に大人気になってしまったわ。」

「魔物を狩るのが目的で、こんなにも?」

「そうよ。魔物を大量に狩るだけでなく、財宝が目的で来ている人も大勢いるわ。

それで、最上階まで行ったら、魔物が再び復活するでしょ、それの順番待ち。」

「はぁぁぁぁ・・・まじかいな。」

「とっても強いギルドだと、そうね、一時間で登り切ってしまうわ。

でも10番目だから、10時間後くらいかしら。魔法の整理券を渡して置くわ。

順番が来たら、自動的に呼び出し音が鳴るから来てね。」

ダンサーのお姉さんは、整理券をくれた。

「じゃ、悪いけど、出直すなり、なんなりしてね。」

そういうと、お姉さんは塔の方へ向かってしまった。


「どうする?」ういさんはたずねた。

「10時間後とか、真夜中じゃん。やめとこ。」シェリーさんは諦めていた。

「他の塔もこんな状況かな・・・。」

「かもねー。」


「結局、財宝がどこにあるかわからなかったね。」ういさん続けてたずねた。

「ぺんぎん そういえば、財宝どこにあるって言ってた?」コビさんの狙いは財宝。

「地下にあるとかなんとか。」minoさんはうろおぼえ。

「地下なんて、私達行ったっけ?」

「行ってないね。」

「よし。」シェリーさんは決意を固めた。


「調査団のお姉さーん。」

ういさん達は、さっきのお姉さんのところへ走って行った。

「この行列って、塔に登る行列ですよね。」

「そうよ?」

「地下は関係ないですよね。」

「地下・・・そういえば、発見されてないわね?地下の入口知っているの?」

「あっ・・・・。地下の事は、内緒ね。これ。」

シェリーさんは、そう言うと、銭をお姉さんに手渡した。

「あら悪いわねぇ。でも、こんだけ人いたら、バレるわよ。」

「ばれたら、バレたで。あと、知ってたら教えて欲しいんだけど

 調査団が魔法陣展開したけど、あれはどうなったか知ってる?」

「魔法陣は解除したわよ。大魔法が使えないって、苦情が多々あって。」

「新魔法石はそのまま?」

「私は関わってないから知らないけど、そのままだと思うわ。でも発動させちゃだめよ。

 塔を攻略中の人達が魔法使えなくなっちゃうから。」

「大丈夫、大丈夫。」


「よし、今日の活動は、地下探索だ。」

「でも、地下への入口なんて、どうやって調べるのさ。」

「掘るのさ。」

「えええー?」

そんな会話をしていると、行列のあたりで、もめごとが起きていた。

ダンサーのお姉さんが仲裁に向かった。


見ると白装束の集団が騒いでいる。

「あれは、なんだ?」


「我々はモナ国の清教徒である。この古代の聖地で封印が破られようとしていると聞いて

やってきた。聖なるご神木を不浄なる行為で汚すのはやめなさい。」

そんな事を言って、騒いでいた。


「モナ国ってどこだ?」

「たぶん、はるか北方の北国、氷で囲まれた寒い国だったはず。」

「そんな国の人達が何故こんな辺鄙な地へ?」


白装束のリーダーと思われる人が、何か言っている。

「ここはかつて、世界を席巻した化け猫族と、魔族が最終決戦をした地

そして、この中央部には、かつての化け猫族の精鋭達が封印されている。

このご神木は、神が化け猫の横暴をこれ以上拡大させないように

魔族を保護するために植えられたご神木である。

もし倒壊するような事態が起きた時には、強大な化け猫族が復活する恐れがある。

絶対に封印を解いては成らない。封印が解かれた時、それは人間世界の危機である。

もう一度言う。絶対に封印を解いては成らない。」


ういさんは、白装束の連中に近寄った。

「そんな話は興味なくてさ、それより、白装束のあんちゃんたち。

 ここには、財宝があると聞いたんだが、知ってる?」


「はっ?財宝?この地に財宝なんて・・・。」

周囲に並んでいたギルドの面々が興味津々こちらを見ていた。

「スティール!」

「なっ?」

並んでいた他のギルドのメンバーの一人シャドウチェイサーが、

白装束の集団が持っていた書物を奪った。

「どれどれ・・・どこに書いてあるのかなー、財宝・・・。」

「こら、奪うんじゃない!無礼者。返しなさい。」

「読み終わったらね・・・えーと、難しいなこれ。解読班~パス。」

書物が、別のギルドの人の手に渡った。恐らくはプロフェッサーだ。

「あいよ~。なになに、塔に花を咲かせよ? 花なんて咲くのか・・。」


「ジェネわかる~?」

プロフェッサーが、今度はジェネティックに書物を渡してたずねた。

「花~?え、あの塔って植物なの?・・・ふむふむ。なるほどねー。でも、人数が・・・。」


「ちょっとおねぇさん~、相談なんだけど~いいかなー。」

ジェネティックは、調査団のお姉さんと相談して、何かを決めたようだ。


ジェネティックの女性が呼びかけた。

「はいはい~、みなさん注目~。注目~。」

ずっと順番待ちをしていたギルドの人々を集め始めた。

「今わかったことなんだけどー。この塔の花を咲かせると、財宝への扉が開きます。」

「まじか。」「お宝!」「どこに」「どうやって。」


「方法なんだけどー。塔の周辺に、新魔法石が埋められているので、これを利用します。

発動させる魔法陣は、天候改変、温度調整、水分供給、そして、封印解除。

簡単なんだけど、人手がいるわ。埋められている各魔法石へ魔力を注入して欲しいの。

魔法石の場所は、調査団のお姉さんが知ってるらしいから、案内してもらって。」

「いいぜ。」「いいよ。」「了解。」

「あ、最後に、抜け駆けはダメよ。みんなに協力して欲しいから、ギルド名教えて頂戴。」


こうして、順番待ちのギルドの人々が一致団結し、魔法石を元に魔法陣を展開する事になった。

白装束の人々は、蚊帳の人だ。まったくもって、無視されていた。

「我々の努力は無に帰した・・。我々は一体何のためにここへ・・・。」

「このままでは、予言の通りに、封印が解除されてしまう。どうしたら・・・。」

なんだか、白装束の連中は悩んでいた。


塔の前に集まったギルドの面々が集った。

「みんな揃ったわねぇ、まずは、自己紹介から、今取りまとめをしている私は

 ギルド:暴動過激団のジェネティック  よ。

 参加するギルドを、右から順番に紹介するわね。

 ギルド:青い草、ギルド:きのこ食べ隊 ギルド:ハンマー愛好協会

 ギルド:殴り魔術師組合 ギルド:変身協議会 ギルド:芋虫

 ギルド:バグズ騎士団 ギルド:きこり騎士団 ギルド:ぎったんばったん

 以上10ギルドよ、みんな仲良くしましょうね。

そして、外で騒いでいるのが、モナ国の清教徒たちよ。

あの人たちは、私達との邪魔をしにきているみたいだから、排除してOKよ。」

「了解。」「排除ね。」「任せて。」「先に手を打つか。」

「あーそうそう、今塔の中を攻略中のギルドは、ギルド:地下騎士団の連中よ。

あと10分程すれば、終わって出てくるはずよ。」


「さぁ、はじめましょう。」

塔の周囲に埋められている新魔法石に、各ギルドのメンバーが魔力を込め始めた。

「では、詠唱開始するわ。まずは、天候改変!」


塔の周囲の天候が急激に変化し、晴れ間が覗いた。

「次は、温度調整!」

暖かく、生ぬるい気温になった。

「そして、水分供給!」

いきなり雨が降り、地面一体がぬかるみとなった。

「うわぁぁ、地面がぬかるんでる!」「うへぇ・・・。」「ぬめぬめする。」


「最後に仕上げよ。封印解除!」

巨大な魔法陣が描かれ、そして、天に届くような光が立ちのぼった。

そして、塔の屋上、そして、壁一面に巨大な花が咲いた。

花は白く巨大で、中心が赤く、牙が生えていた。


そして、一面に咲いた白い花がしゃべりはじめた。

「よくぞ、封印を解いたな、人間達よ。」「感謝するぜ、人間。これで動ける。」

「はははははは。財宝があると思ったんだろ?」「残念だったな。」

「これは私が動けるようになるための封印解除だよ。」「がははははは。」

「さぁて、数百年振りに、活動するか。」「動かないと思ってるのだろう?」

次の瞬間、塔がぐらりと揺らいだ。

激しい地響きと共に、多数の巨大な根が地上に出て来た。

人間より巨大な根が、地上でうごめいている。当たったら即死しかねない。


「な・・・なんだこれは。」

みんな愕然とした。

「危険だ。塔から離れろ。離れるんだ。」

各ギルドメンバーは、一目散に塔から離れ、距離を取った。


塔だと思っていたものは、花を咲かせ、地上に多数の根を這い出し

そして、塔に多数巻き付いていた蔓が、うにょうにょと、あやしく動き始めた。


その場に居た全員が戦慄した・・・。


39話へ続く。

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