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聖職者ういさん~ 超初心者編  作者: ばっちょ
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ういさんの物語 29話 暗黒時代

人間世界は、突然の人口減少に活力を失っていた。

我々は、この時代を暗黒時代と呼んだ。

みんな元気がない。


ういさんは、旅にでる事にした。

ギルドマスターセリカへ挨拶に行った。

「マスター 申し訳ないが、ちと旅に出る。

変化が起きた この世界を旅して、何か新しい知見が得られるかもしれない。」

セリカは穏やかだった。

「了解した。いつでも我々は、ういさんの帰りを待っているぞ。」

「ありがとう。マスター。」

女クルセイダーのムーンフィッシュは別れを惜しんだ。

「いつか帰ってくると信じている。」

そう言って、去り際に、アイテムをひとつくれた。

「どこで手に入れたか、もう忘れたが、伝説の力を引き出すと言われている太古の指輪だ。

帰ってきたら、私に返してくれ。」

「返さない。もらっておく。」

「それでもいいさ。帰って来てくれるなら。」

「そんなたいした旅じゃないよ。」



ういさんは、旅支度を整え、出立した。

この街の知り合いの多くが、この前の予言以後、居なくなった。

モーラ、ネギ、まーちゃん、初心者ギルドの面々、ギルド裸族の人々...

ギルドマスターは、表面上は穏やかだか、気落ちしているのがわかる。

近くにいて、私ができる事は何もない。


マイナスヒールだけでは、街中での活動はともかく、

外での活動には限界がある。

これから新たな知見や経験を積み、独自の方向を探って行く時が来たと思った。

ういさんは、一大決心をしていた。


目指すは、初心者ギルドが消息を絶った南国パラダイスの地。

きっと、あいつらの事だ。遊んでいるに違いない。

その時は、そんな気持ちが奥底にあった。


だが・・・。


南国パラダイスと呼ばれる地に着いた時、

そこで、一人の釣り人に出会った。

黒い魔術師用の帽子をかぶった若く見える女性の釣り師だ。珍しい。

「釣れますか?」

ういさんは声をかけた。

「ういさんが、釣れましたよ。はじめまして、こんにちは。」

「私をご存じでしたか?」

ういさんには、この人の記憶はない。誰だろう?

「街でマイナスヒールしているの見てます。有名ですよね。

あと、初心者ギルドのエンブレム持ってますよね。知り合いから聞きました。」

「んー、初心者ギルドの人か?」

「私は、初心者ギルドの創設者ですよ。

今は、もう引退していますけどね。」

釣り師は遠くを眺めながら、そう話した。


「ほう、あの変わったギルドの創設者?そうなのか。知らなかったよ。

全員いなくなったらしいんだけど、行き先、知ってる?」

「知りませんね。南国に遊びに来たのは知ってますけど、

散々遊んだ後、ギルドスキルを駆使して、どこかへ旅立ったようです。」

「初心者ギルドのギルドスキルってなんなんだ?」

「天使様にお願いをするスキルです。」

「お願い?」

「そう、天使様に希望を叶えてくれるようにお願いするスキル。

クルセイダーギルドのギルドスキル、神への祈りに近いものがあります。」

「何が違うのか、さっぱりわからんが、どんな願いでも、叶えてくれるのか?」

「まさかー。なんでもじゃないですよ。天使様にできる事は限られています。」


「せっかくですので、希望を叶えて差し上げましょう。」

ういさんは、疑問を口にした。

「例えば、金持ちになるとか、最強の人間になるとかできるのか?」

「・・・ご本人の努力も必要ですが・・・似たような事なら出来るかもしれません。」

「まじか?是非、やってくれ。」

「100万銭頂きます。」

「えっ・・・!銭取るの? なんかあやしいなぁ。」

「ただで、うまい話があると思ったのですか?

残念ながら、これからの世界は、銭次第で強さが決まります。

金策のすべも知らないようでは、一時的に大金を得ても、生きてはいけませんよ。」


ういさんは納得した。

「真理だな。いいだろう。払ってやろう。さぁ希望を叶えて見せろ。」

釣り人は、立ち上がり手を広げて宣言した。

「これより天使を降臨させますね。」

ういさんは、突っ込みを入れた。

「天使降臨なんて、はったりだろ?」


釣り師は、笑いながら続けた。

「あはははは。はったりかもしれませんね。では、いきますよ。

聖職者のスキルに加えて、金策のスキル、剣士のスキル、盗賊のスキル・・・

すべての職業のスキルを統べ、そして、人間を超えた力を得る。

天使さま、わたしの声がきこえますか?

究極の初心者レナ17歳です。

ういさんへ、人間の限界を突破した

超初心者の力をお与えください!

ずどーん!」


「確かに、若いように見えるが、おまえ17歳じゃないだろ?」

ういさんの突っ込みは、失礼な内容だった。

「なんの魔法だ・・・。本当に天使が舞い降りてきた。」

ういさんは、驚いた。あたりは、光に包まれた。


釣り人の、レナ17歳は解説した。

「なんの力が与えられるかは、天使により異なります。

降りてきた天使は、・・・おそらく、ぬり壁の天使。」

「ぬり壁?なんだそれは。聞いたことがないぞ。」

「私も、長年やってますが、はじめてみました。さすが、ういさんです。天使が違う。」

あたりは、暖かい光に包まれ、ういさんの体に、変化が起きようとしていた。


「あ、そうそう、最後にひとつ、試練が与えられます。

ういさんなら出来るはずです。

魔物のボス、1000体を倒す事です。」

「は?ふざけんな!」

「1000体目に、神の名を記した遺物を手にすることもできるかもしれません。」

「いや、無理だから。」

「はるか西方の地、または、東方の海上にある島に、太古の魔物によって作られた

巨大な塔があります。そこには強大な魔物が今も巣食っていると言われています。

どちらでも好きな方へ挑戦し、見事試練を乗り越えて下さい。」

「話聞いてないだろ、あんた。」

「ういさんなら、大丈夫。信じてますよ。では、私も天界へ戻ります。」

「は?あんたも、天使だったのか!?」

「いえいえ、ただの人間ですよ。ただし、天使の力を行使できるだけです。」

そういうと、天使ともども、消え去ってしまった。

「どうしろと言うのだ。・・・確かに、肉体は、今までとは違う感じがする。」


「あ、そうそう、渡し忘れていた。」

突然、レナ17歳が目の前に戻って来た。

「えぇぇぇ!突然現れるなよ。びっくりするだろ!」

「はい、超初心者用の装備一式。渡し忘れていたわ。」

「なんだこれ・・・。」

「初心者ギルドの正装。あと、マニュアル。色々書いてあるから読んでおいてね。

もう、初心者ギルドの人、誰も居ないみたいだから。」

「え・・・?結局どこに行ったんだ。あいつら。」

「こことは違う別次元の世界みたいね。予言で言われていた平行世界とも違うところみたい。

私もよくわからないんだけどね。それじゃね。」

そういうと、レナ17歳は再び姿を消してしまった。


「なんだったんだ・・・。」

ういさんは、困惑した。


南国パラダイスに立ち寄ったのを機に、ういさんの環境は激変する事となった。


30話へ続く。

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