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第六話

コツコツと私は廊下をあるく。

いや、正しくは廊下を歩いているという感覚はない。

どちらかと言えば廊下を映したビデオを見せられる感じだ。

ふっと左に目線が移ると番号札がいくつか流れていく。

何度も見たこの映像。

またこの夢だ。

私は嘆息した。

もちろん夢の人は嘆息はしなかったが。

そしてある部屋につくとカバンから鍵を取り出す。

そして、扉を開くと靴を脱ぎリビングへ移動していく。

リビングにはソファーに座っている女の子がいた。

「またゲーム?いい加減にしなさいよ。」

ソファーに座っている女の子に声をかける。

「うるさいな。おねぇは。」

彼女はこちらを向かないで返してくる。

画面には皇樹様によく似た男性が映っている。

「あなた。それ、乙女ゲーム?」

珍しいと付け加えて話す私……ではないけど……だからいやなのよ。この夢。

私は髪を掻きむしりたくなったがそれもできない。

ただ、映像を見るだけだ。

「そうだよ。って!あー!また死んじゃった!」

目線はまた画面に映る。

そこには私によく似た女の子が腹部から血を流してる映像だった。




目を覚ます。

眠気はなく意識ははっきりとしている。

いっそ眠気があればよかったのにと心底思った。

あの夢はもう何度見ただろう。

最近は見ることがなかった夢。

もう見なくて済むと思いたかった。

私はゆっくりと上体を起こしてあたりを見回す。

いつもの私の部屋。

その一角が光ってるのを見つけた。

勉強用の机の電気がついていた。

消し忘れたのだろうか?

いや、眠る少し前にはベルがいた。

仮に私が忘れたとしてもベルまで見落とすだろうか?

私はベットから降りると机の上を確認する。

ふと、ノートにした覚えのない付箋が張られているのに気付いた。

私はそっとそのページを開いた。

そこにあった見慣れた文字で書かれた見知らぬ言葉。

『立花立夏には気を付けて』

言葉の意味もこの状況も私には理解できなかった。

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