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第五話

ベルを途中で拾い、家に帰宅。

私は部屋着に着替えて自室で横になる。

トントンとドアをノックする音が聞こえてきた。

「はい、どうぞ。」

そう声をかけると失礼します。とベルが入ってくる。

「どうかしたの?」

そう聞くと彼女は少し不思議な顔をして

「お嬢様本日何かございましたか?」

そう聞いてくる。

何かと言われればいろいろあったが。

「人にぶつかったわね。」

そう言うとベルは

「その方どんな方ですか?」

少し身を乗り出して聞いてくる。

なんでそんなことを聞くのだろう。

私は首をかしげてしまった。

「あっ、いえ……。失礼しました。」

その様子を見て彼女は引き下がってしまった。

話を続けるかな?

そう思ったけど私は今ベルの紅茶が飲みたいと思ったので

「ベル。それより紅茶お願いします。」

「はい。お嬢様。」

そう言うと彼女はいつも通りにお茶を淹れ始めた。

外をみると母が育ててる花が綺麗に並んでいる。

「そういえば、ベルが私のお付きになって何年になるのかしらね?」

そんな話をする。

「孤児院から拾っていただいて……。そうですね。5年くらいでしょうか。」

もうそんなになるのか。

私は勉強道具を取り出しつつ話を続けた。

「あの時の私はわがままだったわね。」

昔のことを思い返しながら私はシャーペンを進めていく。

昔の私は……。今もその性質はあるかもしれないが……。欲しいものはなんでも手に入れていかないと気が済まない性格だった。

たまたま母が連れていった孤児院で私はベルに会った。

と言ってもベルという名前は私が与えた名前なんだけど。

「確か私を見てるあなたがいたんでしたっけ?」

「そうですね。私から見てお嬢様はとてもきらびやかな方でした。」

「ありがとう。」

昔の事とはいえ褒められるのは嬉しい。

私はベルを見つめた。

ベルは首を傾げる。

「いかがしました?お嬢様。」

「いえ、私の家に来てくれてありがとう。ベル。」

照れくさいながらも顔には出さずに私が言うと

「こちらこそ私を拾ってくださってありがとうございます。お嬢様。」

余裕たっぷりの笑顔で返されて少し癪になった。

ちょっと意地悪してやろう。

「ところで、ベル?あなた学校では何してるの?」

一瞬ベルが身を固めた。

どうやら、予測的中したらしい。

「一人なの?」

「そ、そんなことございませんよ?」

ちょっときょどる。

可愛い。

「それより、お嬢様は大丈夫なのですか?」

「私はラングスペルスの方とお話しますので。」

彼女の返しに余裕で返してあげる。

むっとした顔になるベル。

ふふ。

ちょっと面白かった。

私はテキストに再度向き合う。

「お嬢様。紅茶です。」

かたと紅茶がテーブルに置かれる。

紅茶のいい匂いが疲れを癒す。

「ありがとう。ベル。」

私は紅茶に口をつけた。

私のより全然美味しい。

「おいしいわ。ベル。」

「ありがとうございます。お嬢様。」

ベルは楽しそうに笑った。



私は寝るのが最近苦手だ。

嫌な夢を見るから。

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