「第一話 滅亡」
「カズトさんマジ強すぎィ!!」
「マジでそれな!!」
「私もカズトさんみたいになりたいなあ。」
そんな会話がチャット欄にて行われていた。
そしてその会話にニヤニヤした顔で返信していたのがこの俺、東条和人(27歳)だった。
俺は幼い時からいろいろなゲームをし続けて今じゃ世界で一番有名な大人気MMORPGゲームドラグーンオンラインの世界ランキング一位を獲得するほどになった。
まあいわゆる廃人の域だな。
ちなみにちゃんと仕事はしている。
四年前までは普通のサラリーマンだったがつまらなかったので今はプログラマーとして働いている。
おかげで結構安定した生活を送ることができている。
「さてと。今日のやらなきゃいけに範囲は終わったしドラオン起動するか。」
その時だった。
自分の携帯から大音量の警報が鳴ったのだ。
「うお!びっくりした!」
ガチでビビったのもつかの間。
俺は携帯を見てぎょっとした。
あと数分で地球に巨大隕石が衝突するというのだ。
「は?なんでこんな急に。」
流石に誤作動か何かだろうと思い念のため窓から外を覗き空を見上げた。
するとそこには真っ赤に燃えて落ちてくる巨大隕石があったのだ。
しかも外には大勢の住人が出てきてどこかへと逃げている。
「マジかよ!!」
俺はかなりパニックになっていた。
当然だ。
突然のこと過ぎてこれでパニックにならない人間の方がおかしい。
俺はどこに逃げればいいかもわからずただ部屋の中でうずくまっていた。
ここから出てももう間に合わない。
ここら辺の近くにシェルターみたいなのはないだろうしというかあんな巨大な隕石にシェルターなんて意味あるのか?
ああ。
こんなことになるならもっと残りの金を使って豪遊して最後に家族に会いたかった。
俺は後悔をしながら涙を流していた。
その日人類は滅亡した。
俺が最後に見たのは子供の時に撮った家族写真であった。