久々の休日(前編)
大変お待たせしました。後編もそう遠くないうちに投稿したいです。
チーム「マーメイドスケイル」が少しずつ勝利を重ねていったことでチーム全体にも少し余裕が生まれていった。今まではどこかチーム全体がピリピリしていたと言うか、気を張り詰め過ぎていた所があったので良い兆候と言える。もちろん油断は禁物だが、心に余裕が出来るのは良いことである。そして、それに伴い1日だけだが、休息期間が出来た。
一応、回復魔法や一定の休息時間はあるので極端に身体に強い負担は掛かっていないが、やはり休日があるとないとでは精神面の影響も遥かに違う。
ライアンがガバッと起きると、大きく伸びをして時計を確認した。まだ朝だ。正直、今日は折角の休日なので昼まで寝ていたいところなのだが、もうすっかり習慣になってしまっているので二度寝しようという気も起きなかった。
仕方なく布団から出て着替える。チームのユニフォームや動きやすいスポーツウェアでは無くラフな格好の普段着だ。今ライアンが住んでいるのはエレナが経営している格安のアパートである。最初の数日は町の宿屋で生活していたのだが、やはり何日も宿屋生活というのは金銭的に色々とキツイ。
ちなみに、マイティもこのアパートでライアンの部屋から少し離れた部屋に住んでいる。アパートは格安なだけあって、ゴールドラッシュ時代の寮とは比べ物にならない程レベルは低いがシャワー等の設備はあるのでそこは非常に有り難かった。特訓の後に汗まみれになった身体を洗い流せるのが凄く良い。元々持っている荷物が少なかったので部屋は大分殺風景だが、別に大した問題じゃない。家賃はゴールドラッシュ時代の貯金や今までの大会の賞金等で払うことにした。これで数ヶ月は持つだろう。
ライアンはアパートから出ると、しばらく散策することにした。よく考えてみればライアンはこの町に来てからそこそこ経つが、今まではずっとチーム作りのためのメンバー集めで奔走したり特訓ばかりでこの町のことをじっくり知る機会があまり無かった。折角だし、この町マーメイドスケイルのことを知る良い機会かもしれない。
「あれ? ライアン君?」
振り返るとそこにはリディアがいた。水が並々入ったバケツを持っているのを見るにどうやら水を汲みに来たらしい。修理屋で使うのだろうか? リディアが話しかけて来た。
「そういえば今日は休みなんだっけ?」
「ああ。それで折角だからこの町のことを色々知ろうかな?って思ってな。ちょっと散歩に」
「へー、そういうことなら嬉しいわね。あ、それだったら私がお勧めの場所とか案内してあげようか? 私も行きたい所があるし」
そしてリディアはちょっと待っててと言って、ライアンが答える間もなくバケツを運んで行ってしまった。




