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初勝利

お待たせして大変申し訳ありません! 更新は不定期になりそうですが、エタるつもりはさらさらないのでご安心ください。

多くの者達はマーメイドスケイルが勝利することはないと考えていた。だが、その予想は2戦目以降から大きく覆った。


〈信じられない! マーメイドスケイルの勢いが止まらないぞ!! ライアン・シルト選手やマイティ・アイスバーグ選手だけでなく、今シーズンから新たにデビューした選手3人の猛攻によって今回の大会も上位に食い込んでいます!〉

〈あれで本当にルーキーなのか!? しかも、チームブレインの指示も的確そのもの。とても初参戦とは思えない采配ぶり、なんなんだ、このチームは!?〉

プリズマ・カップも早くも6戦目のトーナメント戦が開催されたガーナー・インターナショナル・スタジアムでもマーメイドスケイルの勢いは止まらなかった。準決勝の試合、対戦相手はチーム「マッスルベリー・ジュース」だ。身体強化魔法の使い手が集うこのチームは肉弾戦においては比類なき強さを誇る。だが、マーメイドスケイルの敵では無かった。


既に5人中4人を戦闘不能にしている。そして、最後の1人も肩で息をする程に消耗していた。


「クッ…… まさかこれ程とは……」


マッスルベリー・ジュースのエースであるシルヴィア・スパークルズは悔しそうにそう呻くと、自身に身体強化魔法を使い、高速移動を始める。彼女はそれを使って形勢逆転を図ろうとしたのだ。


だが、ライアンの結界魔法には通じない。スパークルズの動きは制限され、その隙を突いてヴィアッカが影から現れてお得意の影魔法で彼女の動きを完全に封じる。そこをマイティ、エド、トッドが一斉に放った魔法を食らい、彼女は倒れ気絶した。勝負ありだ。


〈決着ぅ!! 勝利したのは……マーメイドスケイル!! 決勝戦進出だ!!〉

ユーイン・ラヴァレインの声が会場に響く。会場は地響きがする程の歓声を上げる。既にマーメイドスケイルのファンもこれほどまでに増えていた。


〈これは面白くなってきました。現在マーメイドスケイルの戦績はこのようになっております〉

ティムの声でモニターが現れてマーメイドスケイルの戦績が表示される。


マーメイドスケイル

1戦目 2位 (ライアン・シルト)

2戦目 ベスト4

3戦目 3位 (トッド・バーンズ)

4戦目 準優勝

5戦目 2位 (ヴィアッカ・ドッペル)


今のところ、まだマーメイドスケイルは優勝を出来ていない。なので、マーメイドスケイルのチーム全員、「今度こそは」と燃えあがっていた。


そして、決勝戦の相手はライアンにとって因縁のあるゴールドラッシュだ。前回のトーナメント戦では惜しくも敗れたが、今度は対策をしてきた。今回は行けるはずだ。



「よぉ、負け犬が。またのこのこやられに来たのかよ」

ゴールドラッシュの選手の1人、レグルス・バックドラフトがライアンにそう煽ってきた。爆発系の炎を使う選手で、ゴールドラッシュにいた頃は最もライアンを見下しいつも馬鹿にしていた。


「悪いけどあなた達に『勝つ』なんて未来は絶対に無いわ。負け犬は負け犬らしくしていて欲しいわね」

そう言うのは、サフィナ・ヴァッサ、ゴールドラッシュの選手の1人でライアンの元恋人だ。かつての彼女からそう言われるのは少し心に来るものがある。もう割り切ってはいるが。


ライアンは正直、ゴールドラッシュの連中に何を言われてももう何も感じなかった。自分には新しい仲間がいるからだ。ライアンは後ろの仲間を見て頷く。



やがて、開始の合図が鳴った。


フライングギリギリにバックドラフトは爆炎魔法を放った。その名の通り、爆発性の極めて強い炎で熱だけでなく爆発を起こして相手を倒すという危険極まりない魔法だ。やりようによっては味方も巻き込みかねない魔法でもある。いくら弱体化魔法が会場内に張られているとは言え、巻き込まれれば1発で戦闘不能にはなるだろう。ゴールドラッシュの選手達は瞬時に距離を取ったり自分の魔法で爆発を防ぐ。


ライアンは咄嗟に結界を張って全員を防御する。そこをゴールドラッシュは突いて来た。サンダースは雷の薙刀を、サフィナは水の槍を作り、タンタルは腕を金属のように硬化させて突っ込んで来たのだ。前回の時と同じだ。だが、それは既に想定内だ。


『ライアン、秘策を見せてやれ』


ジェスの指示を聞くやライアンは張っていた結界を解除すると、今度は新たに5枚結界を作り、それを箱状にして3人を閉じ込めた。連日ジェスが課したトレーニングのお陰で同じ種類の結界なら5枚まで張ることが可能になったのだ。と言っても、板状の形に限るのだが。


「何!? 結界か!?」

「フン! こんなもの壊してしまえば……」

タンタルが思わず叫ぶが、サンダースは強気に雷魔法を腕に纏い殴ることで結界の檻を破壊しようとする。あくまで魔法用のリフレクターだと思ったのだろう。だが、これは唯のリフレクターではない。


サンダースが雷のパンチを結界にぶつけると、3人を閉じ込めていた5枚の結界からサンダースの雷を遥かに超える威力の雷が3人に降り注いだ。


「「「あばばばばば……」」」

3人は気絶してしまった。一気に戦闘不能だ。


「捨てたもんじゃないだろ? 結界魔法も」

ライアンは得意げに笑った。これが新たに編み出した秘策、『鏡箱』だ。自分の魔力をあらかじめ貯めておいた結界を張ることでライアンから離れていても相手の魔法を強化させた状態で跳ね返すことが可能になったのだ。そして、更に1枚の結界を攻撃すれば他の結界からも攻撃が放たれる。これを破るには単純な物理攻撃でないと不可能だ。


ウディーはライアンの攻撃を見て少し楽しそうにニヤリと笑う。そしてウディーは魔法陣を展開させて大樹を生やして攻撃を仕掛ける。だが、今度はマイティとエドが攻撃を始めた。


「食らいな! 前のお返しだぜ!」

「ワイらも負けてられんからな! リベンジや!」

マイティが大樹を瞬間的に下から凍らせていき、エドが魔力からいくつもの大きな岩石を作り出してそれを大樹に弾丸のようにぶつけていく。あまりに遠慮のない攻撃に大樹は大きな音を立てて崩れていった。ウディーは咄嗟に別の植物を召喚しようとするがもう遅い。死角から現れたマイティの作った氷のハンマーにやられて戦闘不能になった。


(前回とは比べるまでもないね…… これ程とは…… 流石……エタンセルさんだ……………)

意識が遠おのく中ウディーはそう心の中で呟いて倒れた。



残るはバックドラフトだけになった。既に1人でヴィアッカとトッドを倒していたらしいが、既にかなりのダメージを与えてくれたようだ。今の状況に気付くとバックドラフトは悔しそうに呻くと両腕から炎を噴き出して威嚇する。


「クソが……! 何なんだよ、お前ら………」

ありったけの魔力を使って爆発を起こそうとするが、彼は気付いていなかった。ライアンの結界の中に閉じ込められていることに。爆発は凄まじい威力でバックドラフトのみを巻き込んで起こり、勝負が決まることになった。


満身創痍のバックドラフトは「う、そ、だろ…………」と小さく呟いて大の字で倒れ、戦闘不能になった。



〈決着ぅ!! 驚いたな! 勝利したのはマーメイドスケイル!!〉

〈衝撃の参戦から6戦目にして遂に優勝です!!!〉

スタジアムからは歓声が沸き起こり、ライアン達の勝利を祝った。こうしてマーメイドスケイルは初勝利を飾ることが出来た。

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