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0.物語の始まり


遥か昔、その(いにしえ)の、まだ国という形すらも地上にない彼方の時代において、彼の大陸は(いさか)いの絶えない地であった。

そんな終わりが見えない戦いの日々に人々が疲弊し始めたその時、一人の男がこの地に現れる。


何処から来たのかも分からない、何者なのかも分からない。

不審そのものであるはずのその男は疲弊した人々を励まし、仲を取り持ち、(またた)く間に終わらない戦を治めてしまったのだった。


人々は決して人に触れること叶わずとまで詠われた竜人族(りゅうじんぞく)をも味方に引き入れて、長きに渡る確執さえも取り除いてしまった彼の男を、平和と終戦の竜王(りゅうおう)と呼んだ。



――それから時は経て、大陸には幾つもの国が共存していた。


古来より伝承を残し、不変の獅子と呼ばれる大国タクリード。

商人が(つど)う活気溢れる貿易国アクィラ。

信仰を(かて)に教皇が力を持つ神国エクラファーン。

東へと広がる荒野を遮る(とりで)の国アルクス。


そして、女王の箱庭ディステル。

技術と職人の国スカラー。

魔法と知識の探求の国シーカー。


最後に周辺諸国共通の敵たる荒野を挟んだ東方の蛮国スラングと

大陸最北に位置する竜王の末裔(まつえい)が治めるイストリア。



しかし現在、イストリアでは竜王の直系の長子たる唯一の王位継承者が亡くなり、彼の初代王の血に(かしず)いていた竜人族たちが皆、姿を消してしまう緊急事態に(おちい)っていた。

最強の国であり、大陸の指導者であった国の衰退に、今まさに、国々の間に不穏な空気が立ち込め始めていたのである。


――これは後に、イストリアを中心に大陸全土を揺るがしたと言われる動乱の時代、その波乱巻き起こる中での物語。


――とくとご覧あれ。

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